しめ縄から読み解く文化と環境

   by Akihiko Sato        
しめ縄から読み解く文化と環境
本日は2月3日、節分ですね。
節分といえば、豆まき、イワシ、恵方巻き。
ちなみに恵方巻きは1989年、広島県のあるコンビニが太巻きを販売する時に、恵方巻きと名前をつけたところから始まったといわれています。全国区の習慣としては、思いのほか新しいのですね。
節分とは1年に4回あり、季節の始まり、立春、立夏、立秋、立冬の前日のことで、季節を分けることを意味しています。
1年の始まりの立春(今年は2月4日)を新年とするならば、節分(2月3日)は大晦日にあたります。
旧暦は太陰太陽暦でしたので、2月の節分である時期が立春に最も近い新月を元日としていました。
明治以降、グレリオ歴が採用され、新年は1月になってしまいましたので、新年の挨拶という習慣は1月に行われるようになりました。
一方、豆まきは2月に定着しています。これから暖かくなり畑仕事が始められるようになり、豊穣の願いを行うタイミングは2月の方がしっくりきますね。
季節の変わり目には邪気(鬼)が生じると信じられていたので、鬼を払うために豆(魔目)を鬼に投げつけて魔を滅する(魔滅)ことで、邪気を払い、1年の無病息災を願います。豆まきの前に豆を煎る行為は豆を射るの語呂合わせで「魔目(まめ)を射る」で、豆の芽(魔芽)が出ないようにとかけています。
是非豆を撒く前には豆を煎って、鬼退治を行いましょう!タイミングは夜が良いとされています。そして、豆を食べる数は年齢プラス1個です。
旧暦では今日がちょうど大晦日ということになりますので、初詣も大事な行事ですね。
初詣は平安時代の年籠もりという行事が由来で明治頃に今の形になったと言われています。
初詣にいきますと、神社にしめ縄が飾られています。出雲大社のしめ縄はとても大きく迫力がありますね。
しめ縄は結界として神の領域と現世を隔て不純なものが入るのを防ぐものと言われています。
しめ縄の由来は古事記によりますと天照大神が岩戸に隠れた神話からで、もう岩戸に入らないようにと縄をつけたことから、神さまのテリトリーを守る印として使用されるようになったとのこと。
しめ縄の形ですが、太い縄は雲、垂れ下がった藁は雨、そして、白いギザギザの御幣(ごへい)は雷を意味しています。大きな雲は時に雷(稲妻)を落とします。雷の光は天から落ちて来るように見えますから天からの授かりものとして、肥料の三要素、チッソ・リン酸・カリウムを指導する手立てとも言われております。これは宮沢賢治も大正10年頃、岩手県の農学校でも教えられていたといいます。
雷(稲妻)の放電、OH−(水酸化物イオン)、HO2(超酸化水素)が大量に放出されることによりメタンや一酸化炭素などの温室効果ガスの除去をしつつ、空中の窒素ガスは酸化され、窒素酸化物となり、雨水に溶け、土壌に固定される(窒素固定)ことで肥料が土に与えられます。
田畑には十分な光と水分が必要であり、雷がよく落ちる所は作物の実りがよいといいます。しめ縄はこのような事を意味しているとも言われています。
また、狂言でも雷は五穀豊穣をもたらすという曲名もあります。
かみなり【神鳴】
狂言の曲名
鬼狂言。都の藪医者が東国へ下る途中、広い野に来かかるとにわかに空が曇り、〈ピカリ、ガラガラ〉と言いながら雷が飛び出して、医者の前に倒れる。雷は雲間から落ちて腰を打ったと言い、ひれ伏している医者に治療を命ずる。医者は大きな鍼(はり)を槌(つち)で鬼の腰へ打ち込むと、雷は痛がって騒ぐが、治療を終えると快癒して、さっそく昇天しようとする。医者が治療費を請求すると、雷は持合せがないと言う。かわりに五穀成就の雨を適当に降らせることを約束し、医者の将来を祝福する謡をうたって、昇天する。
最後の祝福を歌って昇天するというイメージはまるで、医者の貢献と対価が対消滅して光る様とも感じてしまいます。スーパーボルトは反物質を生み対消滅しているといいます。宇宙創生期で起こる現象は身近でも起こっているんですね。
稲妻は稲の妻、つまり稲にとってかけがえのないもの。
物質と反物質が対消滅する時、光に変化します。
地表がプラスで雲がマイナス
稲妻は天と地をつなぐことでバランスを保っているのかもしれません。
稲妻は土に炭素ももたらします。
土壌に炭素が入ることで、肥沃な土壌へと長い年月をかけて調整しゆっくりと育まれているんですね。
しめ縄は雲を表し、稲妻は大地を肥えさせる。
スーパー自然現象と共に生きてきたからこそ、日本は世界一長い歴史を保っているのかもしれません。
そんな自然の循環を長い年月共にしてきた日本の文化には、サステナブル社会を実践していくヒントが沢山あるのかもしれません。
しかし、悲しい事実として近代、人類の活動はすべての自然のプロセスに有害であり、しばしば予期せぬ方法で生態学的バランスを崩してしまっています。その規模は毎年360億トン以上の土壌が失われているといいます。
また、温暖化の影響や異常気象などにより表土が侵食され、農業が困難な土壌へ急速に進行してしまっています。
一方、2050年には地球上の人口が90億人になると言われており、農業生産高を世界全体で60%増加させる必要があります。国民のほとんどが衣食住を土地に依存しているアフリカでは、約100%と言われています。
農業生産高を上げていかなければいけないのですが、土壌は減少し続けています。
農業生産高を向上させていくことはとても不可能なことのように思えます。
農業生産高を上げて、土壌を再生していくことは可能でしょうか?
土壌は再生可能なものとそうでないものに分類されます。厳密に言えば、土壌は何千年もかけて、自然の気象現象と植生の再生が組み合わさって新しい土壌に生まれ変わります。しかし、人間の一生よりも長い時間をかけて更新されるため、再生不可能という表現も可能です。
土壌は再生可能ですが、短期間で再生できるわけではありません。再生するスピードよりも天然資源を消費するスピードの方が速いため、人間の影響の大きさをどうにかしないと土壌は再生不可能という事になってしまいます。
私たちが生活基盤を構築している文明は、将来の影響を顧みず劣化し続けています。
気温上昇により平年と同じ規模での雲でも蓄えられる雨の量が増加しますし、揮発された水蒸気の量も密度も高くなることで土壌へ降り注ぎ雨の量も多くなります。
汚染物質や輪作の欠如も土壌の劣化です。何十年もの間、肥沃な土壌が、作物の栽培のために捧げられてきました。
何世紀もの間、土壌に影響があることを知っていながら、利益追求という大きな社会の波に流されています。
本来、土壌のバランスを保ち、栄養素を与えるには、余計な耕起を行わず、輪作をする等が必要ですが、現代のアグリビジネスは、生産性を維持・向上させるために、改良された遺伝子組み換え食品に人工的な栄養分を与えて作物の収量を向上させてきています。
人間のための創意工夫が自然のプロセスに取って代わることはないですし、そのような介入の最終結果は悲惨なものになるかもしれない。
科学は、人間と地球のため、今ある土壌を守るため戦略をたて、開発し実現するために利用することが可能です。
今まで土壌改良には長い年月をかける必要がありましたが、ある日本人が土壌の改良速度を劇的に短縮できる方法を見つけノウハウを残してくれました。
現在、日本での実証実験を行っており、半年で菌の数が3〜4倍程度、増えることが証明され、稲の発育や根の深さ、リンゴの品質向上、土壌の炭素量も増幅されています。
土壌が健康になることで、人や地球に良い結果を生み出すことができる。
このサステナブルな農法によって、無農薬で不耕起栽培の促進に繋がっていければ、農業が環境負荷がかかるという概念から脱することが可能になることでしょう。
また、酪農や放牧で利用した場合、家畜のゲップや糞尿から排出されるメタンも減少するのではないか?と期待されています。
また、菌を増やすということは、バイオ発電などで電力の確保と効率を改善することも可能かもしれません。
労働環境を改善出来る効果として、糞尿の匂いを低減するということも、非常にうれしい改革になるのではないでしょうか。
微生物という小さな命とうまく付き合うことで、土壌の再生は可能となり、地球を救うことができる。
救われた地球と負荷なく生きていくヒントは土壌にあり。
稲妻はリセットの合図です。人の力で再スタート出来ることを証明していけるということを、旧暦の正月にお祈りすることを誓いました。
祈りにはとても大きな力があります。皆様も節分という節目にお参りに行ってみては如何でしょうか?
まだまだ、これから研究開発が必要な部分も多いですが、DeFi、メタバース、NFT、web3、地球環境再生、土壌改良、温室効果ガス吸収、不耕起栽培、小規模農家改革、カーボンクレジット創出活動などに少しでも興味を持たれましたら、これら実現のためみなさまの活動へのご参加、お待ちしています。
また、ご質問やご意見随時承っております。
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