国同士で条件を合意し、カーボンクレジットを売り買いすることを「二国間クレジット」と言います。
日本とモンゴルも「二国間クレジット」を過去に実施した例があり、有名な例としては平成28年のプロジェクトです。モンゴルに導入された日本産の高効率な熱共有ボイラーをベースにモンゴルは温室効果ガスを削減し、その分のクレジットを発行、日本がそのクレジットを購入した、という二国間クレジットのプロジェクトです。
世間一般では、やっとここ2〜3年で脱炭素・カーボンニュートラルが騒がれるようになりましたが、平成28年といえば、今から6年前です。政府は粛々と水面下でこのような二国間クレジットなどを通じてカーボンニュートラルに向けて活動していたことが分かります。
日本とモンゴルの二国間クレジットは、この平成28年のプロジェクト以外にもいくつかすでに実績があり、過去には、学校へ導入されたボイラー以外にも太陽光発電による温室効果ガス削減によるクレジット発行など、何度もクレジット発行のプロジェクトを実現しています。
今年新たに発行された日本×モンゴルのカーボンクレジット
実は、今年の2月に日本とモンゴルの二国間クレジットによるカーボンクレジットが発行されたことが環境省より発表されています。
私が今回のプロジェクトで驚いたのが、発行クレジットの量です。
これまで何度か行われたモンゴルとの二国間クレジットでは、数百トン〜数千トンという規模のクレジット発行だったのですが、今年のプロジェクトはとても大掛かりなプロジェクトのようで、発行クレジット数は35,000トンを超えていますね。
しかも、そのクレジットの多くを日本政府が購入しており、日本政府の本気度が垣間見えます。
それもそのはず、日本政府が公約している2030年のカーボンニュートラルの実現まで残り8年を切ったことに加えて、2030年までに日本が二国間クレジットのパートナー国と発行するクレジット量を5000万トン〜1億トンという目標を明確に打ち出したことも影響していると思います。
日本の二国間クレジットパートナー国は17カ国ありますが、上記の数字を見てもモンゴル国とはこれからより力を入れてパートナーシップを組んでいくのではないか、と予想しています。
一般的に、低炭素もしくは炭素吸収技術の多くは途上国にとっては投資回収の見込みが立ちにくい、短期的にみたら無用の長物と言われています。でもそれは国という単位の都合であり、地球にとっては関係ありません。
地球にとってはどんな国であろうと低炭素や炭素吸収技術が広まることは、良いことのはず。
それを、経済的に豊かな国が途上国へ技術を提供しクレジットを売買、お互いのメリットへ繋げWIN-WINとすることは最終的に、そこに地球を入れた三方良しに繋がり、いずれはまだ見ぬ私たちの子孫の生活環境を守ることにも繋がるのではないでしょうか。私達Kabbaraも、日本政府に負けないようカーボンニュートラルという言葉を中心においた事業を通じて、少しでも、いや思いっきりそこに貢献できるようにすすめています。
最後までお読みいただきありがとうございました。また次回をお楽しみに。