今さら聞けない脱炭素の4大国際的取り組み

   by Yu Numakura        
今さら聞けない脱炭素の4大国際的取り組み
今や、世間一般的にも当たり前のように語られるようになった「SDGs」ですが、その中でも最もチャレンジングであり、実際に実現することが難しい目標と言われているのが13番目の目標です。日本語では「気候変動に具体的な対策を」と題された13番目の目標は、原文では「Climate Action」と表現されており、SDGs 17個の目標の中で唯一、”Action”という言葉を使っている、まさに具体的なアクションが重要と言える目標です。
この目標を地球全体でなんとか達成するべく、各国政府や企業が実際にアクションを起こしており、これまでKabbara Timesでも何度もご紹介した「SBT認定」もその具体的な取り組みの一つです。
しかし、脱炭素の国際的な取り組みは、世界基準で作られているものがほとんどであり、その取り組みも大企業や政府レベルの取り組みも多いため、何がどういうアクションなのか、意外に理解されていないことも多いです。
本日は、SBT認定と並んで重要な取り組みである、他3つの大きな国際的な取り組みも、シンプルに簡潔にご紹介しますので、これを機にぜひご確認ください。

今さら聞けない脱炭素の国際的取り組み4選

国際的な脱炭素への取り組みは様々あり、全てを把握しきるのはとても大変ですが、今まさに私たちの生活や経済活動に近いところで動いている4つの取り組みをご紹介します。
①SBT認定
Kabbara Timesをお読みいただいているみなさんはご存知、SBT認定です。様々ある国際的な脱炭素の取り組みの”出発点”を作り出す取り組みで、CO2削減量の目標を国際基準で設定するための取り組みです。
②EP100
EP100は、名前からは分かりづらいですが、「Energy Productivity」の略で、企業などで活用するエネルギーを可能な限り効率的に使い、エネルギー消費の根本的な削減をし、それによってCO2の削減に繋げるための取り組みです。
③RE100
RE100は、EP100同様に脱炭素へ向けた取り組みですが、EP100がエネルギーの効率化というアプローチでしたが、RE100は再生可能エネルギーを使ったアプローチで脱炭素問題を解決する取り組みです。RE のRは「Renewable」の意味です。
④TCFD
今日ご紹介する最後の一つは、TCFDです。基本的に脱炭素の国際的な取り組みはアルファベットの頭文字で表現されているので分かりづらいですが、日本語では「気候関連財務情報開示タスクフォース」と言います。漢字が入ると少しイメージしやすくなったかもしれません。要するに、企業の財務的な情報に、今までは表現されてこなかった気候変動に関する影響や責任、取り組みという情報も公表していきましょう、という取り組みです。
これらの4つの取り組みは、基本的に運営母体は違いますが、SBTで目標を設定し、EP100とRE100などの活動を通じて具体的なアクションを行い、その結果をTCFDでみんなに公表していこう!という一連の脱炭素に向けた流れができています。
もちろん、もっとたくさん国際的な取り組みはありますが、日本国内の企業においてはこの流れをもってカーボンニュートラルへ向かっていこうという方針が現在の一つの方向性です。
また、当然、今現在は一部の大きな企業や国際的に環境問題へ責任を果たす必要のある企業グループが行っている取り組みというのが実態ではありますが、SBT認定の中小企業版の登場を見ても、これからこういった取り組みの波が中小企業にも広がっていくことは明らか。決して勝ち負けではありませんが、地球・社会のためにどんなアクションができるのか、いち早く着目しアクションを起こしていく企業が地球に認められ、生き残っていける企業となるのではないでしょうか。
この分野に関するKabbataの今後の活動に関しては、ぜひこちらの記事「脱炭素経営サポートの「はじめの一歩」が決まりました!」もお読みください。本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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