以前、「マインクラフト(ゲーム)で楽しく学ぶ気候変動」という記事で、「マインクラフト(Minecraft)」というゲームを活用し、楽しみながら気候変動を学ぶという話をしました。
ゲーム内の行動でCO2を排出しCO2レベルが上昇すると、温室効果により地球温度が上昇し、嵐や洪水、山火事の発生や降雪の減少を引き起こすようプログラミングされているため、「温室効果ガスを抑えながら発展するにはどうすればいいか?」を考えながらゲームを進めていく必要があり、楽しみながら気候変動について学べるという内容でした。
今回はその第二弾として、自分の行動により環境に与える影響を学べるもう一つゲームをご紹介します。
市長となり自分だけの都市を作る「シムシティ」
「シムシティ(Simcity)」というゲームをご存知でしょうか?
シムシティは、リアルタイム都市経営シミュレーションゲームで、プレイヤーは市長となり、様々な手法で「シム」と呼ばれる市民が住む街を繁栄させていくゲームです。
未開拓の地に住宅・商業・工業地区を指定し、交通機関や電力などの各種インフラを整備すると人口が増えていき、街を発展させることができます。
市民が増えれば増えるほど発展していきますが、その反面、犯罪や公害、交通渋滞などの都市が抱える諸問題や火災や地震などの災害へのリスクが高まるため、市長としての仕事は多く、色んな問題へ対処しながら発展を目指さなければなりません。
僕自身、マインクラフト同様にシムシティもプレイしたことがありますが、マインクラフトよりもこちらの方が現実的な要素が多いため、よく考えて進めないと、後々色んな問題が発生し苦労した思い出があります。
例えば、市民からの支持率を獲得するために税率を下げ過ぎたがゆえに財政破綻してしまったり。水の供給源となる浄水場を、水質調査をせずテキトーに設置したために水質汚染により病気が広がったり。市民を増やし過ぎて渋滞がひどくなり、火災時に消防車が現場に到着するまでに時間がかかり被害が大きくなったりなど・・・。
このように何も考えずに好きなように進めると色んな問題が発生するため少し難しいところもありますが、都市計画の重要性が学べる人気ゲームとなっています。
都市における環境への影響が学べる
自由に都市を計画し、発展させていくシムシティ。ある程度考えて進めないと都市経営が破綻するなどの問題が発生すると言いましたが、これは環境に対しても同じです。
ゲーム内では「公害」というシステムが存在し、環境に悪い施設を建てると、土壌や大気など周りの環境を汚染してしまいます。
例えば、インフラのひとつである「電気」。都市に電気を供給するために発電所を設置しなければなりません。
シムシティでは現実世界と同様に発電所にも種類があります。種類によって建設費用や処理能力などに違いがあり、その中には環境への影響も含まれます。
比較的建設費用も安く、省スペースで設置できる「風力発電所」。こちらはイメージどおり環境への負荷もなく、公害を発生しません。ただし、処理能力は他の発電所に比べて劣るため、市民の数が多くなるとこれだけで電気をまかなうのは難しくなります。
建設費用と処理能力のバランスで考えるとコスパが良いのが「石油発電所」になります。10種類ある発電施設のうち、3番目に安い建設費用で風力発電所の6倍以上の処理能力です。
しかし、風力発電所と違い周囲を汚染してしまうため、市民から不満の声が出たり、汚染がひどいと市民が街から出ていってしまいます。
環境負荷の高い発電所ばかりだと自然災害が発生
シムシティでは「災害」というシステムもあり、ランダムに災害が発生します。
災害の種類は地震、竜巻といったものから、現実世界だと滅多にないですが隕石が落ちて街に被害を及ぼすこともあります。他にも巨大トカゲ(ゴジラのようなもの)やUFOが街を襲撃することも・・・。
これらの災害はプレイヤーの選択した行動に関わらずランダムに発生しますが、最新版のシムシティでは温室効果ガスによって災害が引き起こされるようになっており、温室効果ガスの発生量はプレイヤーの選択次第で変化します。
さきほど例に挙げた発電施設。
施設によってはCO2排出量が大きいものもあり、そのような施設は低価格ですぐに建てられるようになっています。そのため、資金を節約するために低価格の発電所ばかりを立てていると、二酸化炭素レートが上がり、臨界レベルに達すると干ばつや猛暑等さまざまな自然災害が発生するようになっています。
「市民が困らないように大量の電気を!」とたくさん発電所を設置すると、それが原因で自然災害に繋がり、市民の生活を脅かしてしまう・・・。そういった現実社会でも抱えている問題をゲーム内で体感することができます。
宮崎県小林市は「シムシティ課」を設立!小林市をゲーム上で再現
リアルの世界に通ずる部分も多いシムシティ。
宮崎県の小林市はそのリアル性を活用し、地方創生プロジェクトの一環として2018年に「シムシティ課」を設立しています。
シムシティ課では、ゲーム内に再現された小林市をプレイしながら、市民から寄せられた不満や感謝の声に対応したり、ゲームを通じて発見された市政の課題について検討するなど、ユニークな取り組みを行っています。
シムシティ課は小林市の職員だけでなく地元の高校生もメンバーに入っており、理想の街づくりや小林市のあるべき姿をシムシティを通して話し合っています。例えば、「大学や就職先がないので、高校を卒業するとほとんどの高校生が市外に出てしまう」「交通の便が悪い」といった課題を解決するにはどんな街づくりが必要か?など。
実際に市が抱えている問題に加え、「世界一環境に優しい都市にするには?」といったテーマで街づくりをやるのも、気候変動対策の勉強になって面白いと思います。
マインクラフト同様に、そもそもゲームとして十分面白い上に、気候変動についても学べる良コンテンツですので、自分が市長になり「世界一の環境都市を作る」という目標でやってみるのはいかがでしょうか?
以上、ゲームで学ぶ気候変動の第2弾「シムシティ」のご紹介でした。
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