豪雨、森林火災、熱波・・・温暖化によって今、地球で起きている異常事態

   by Takumi Hisamatsu        
豪雨、森林火災、熱波・・・温暖化によって今、地球で起きている異常事態
先日、「私たちが温暖化対策をしなくてはいけない理由とは」という記事を公開しました。
    記事の中では、
  • 太陽の活動が活発でなかったにも関わらず平均気温が上がっており、しかも、最近は太陽が元気になってきている
  • 地球は氷河期へ向かう周期だと言われているが、まだ寒冷化へのシグナルは見えていない
  • そのため、温暖化対策にすぐに取り組む必要がある
  • ということをお伝えしました。
今回はその続編として、地球温暖化によってここ数年の間にどんな問題が引き起こされているのか?という視点から、私たちが温暖化対策を急がなければならない理由について見ていきます。
「温暖化がやばい!」「異常気象がやばい!」と言われていますが、実際、温暖化によってどんな問題が起きているのか?
日本も含む、世界各地で起きている異常事態を深掘りしていきます。
肉の大量消費によって引き起こされている環境問題については以下をご覧ください。
肉の食べ過ぎが気候変動の原因?環境問題と肉の関係性

豪雨・洪水

日本でも大きな被害を及ぼしている「豪雨・洪水」。
2021年8月には、西日本を中心に発生した大雨により、河川の氾濫、土砂崩れ、道路の崩壊などが多発。6,466棟もの住宅に被害が及びました。
世界各地で豪雨は発生しており、2021年7月に中国・河南省では、わずか3日で年間降水量を超える豪雨。2021年12月は欧州でも大雨が多発し、街が浸水するケースも出ています。
今年(2022年)の6月には、パキスタンで例年の10倍以上もの降雨により大洪水が発生。国土の3分の1が水没、3,300人以上の被災者を出すなどの甚大な被害が出ています。
国土の3分の1が水没する被害を受けているパキスタン被災地の様子
出典:日本赤十字社HPより
豪雨を引き起こす原因となっているのが温暖化。温暖化で海水温度が上昇することで水蒸気が増加し、それが豪雨を引き起こしています。
1950年以降、世界各地で平均降水量は増加しており、日本では大雨の頻度は増えていますが、年間降水日は減っていることから、集中的な大雨が増えている傾向にあるようです。

干ばつ

干ばつの頻度と期間は、2000年以降、世界全体で29%増加しており、アフリカや中東、インドだけでなく、欧米でも深刻化しています。
アフリカでは、エチオピア、ソマリア、ケニアでは干ばつにより、1,800万人以上が深刻な飢餓に直面しており、過去40年で最悪の干ばつを経験しているとFAO(国際連合食糧農業機関)は警告しています。
また、アメリカの43%以上が7月末に干ばつに陥っており、2022年8月時点で2億2,900万エーカー分(北海道14個分以上の面積)の作物に被害、イギリスでは今年7月の降水量が1935年以来最少を記録。ウッドヘッド貯水池が干上がり、政府が一部地域に干ばつ宣言を発令するなど、深刻な水不足に陥りました。
2050年までに世界人口の75%以上が干ばつの影響を受ける可能性があると指摘されています。これは食料を海外に依存している日本にとっても大きな影響があり、食料の価格高騰というかたちでわたしたちの生活に悪影響を及ぼします。

森林火災

焚き火やタバコなどの人為的要因に加え、熱波や干ばつなどによって、山や森林で広範囲に渡り火災が発生する森林火災。
ブラジルのアマゾンは生物多様性の宝庫といわれる世界最大級の森林ですが、2011年以降毎年8月に約2万件程度の森林火災が起きており、2019年の1〜10月の間には180万ヘクタール以上が燃えています。このまま森林火災が続くようだと、2035年にはアマゾンがCO2の吸収源から発生源になるとする見方もあります。
オーストラリアでは約1年と長期間火災が続き、焼亡したと推定される総面積は1700万ヘクタール(北海道の面積の2倍以上に相当)、12億5千頭以上の野生動物(哺乳類、鳥類、爬虫類)が、犠牲になった可能性があります。
森林火災は動植物の命を奪うだけでなく、CO2を大量排出することとCO2を吸収する森林を失うことの両方で温暖化を加速させてしまいます。

熱波

その地域の平均気温より著しく高温な空気が一帯を覆う現象を指す熱波。広範囲で何日間も続くのが特徴で、日本でも6月下旬から連続して猛暑日を記録したため、「今年の夏は暑かった」と感じた人は多いと思います。
2022年は北半球の大部分が繰り返し熱波に見舞われ、ポルトガルとスペインでは、7月17日だけで1000人以上が「暑さ」が原因で死亡したと報告されるなど、多くの被害が出ています。
イギリスのある空港では滑走路が溶けて飛行機の離発着ができなくなったり、暑さで滑走路が歪んでしまったなど、交通インフラにも悪影響を及ぼしました。
史上最高気温45.9℃を記録し、エッフェル塔の前の噴水で涼む人々
出典:YAHOO!ニュース「フランスで史上最高気温45.9℃ 極暑の欧州で山火事にヌード論争も」より
そして恐ろしいことに、2022年の夏は”ここ数年で一番暑い夏”として記憶されるかもしれませんが、科学者たちはこれが”当たり前”になる可能性があると警鐘を鳴らしています。早急に温室効果ガスの削減に取り組む必要があることを再認識させられますね。

温暖化対策を進めないと災害が当たり前になる可能性

今挙げた異常気象や災害は、全て地球温暖化が原因です。このまま温暖化が進み温度が上昇し続けると、これまでは数年に一度の頻度だったものが、毎年当たり前のように起こってしまう可能性があります。
しかも、熱波 ⇒ 森林火災 ⇒ 森林がなくなる ⇒ CO2の吸収源が減る ⇒ 温暖化が進む、といったように、これらの問題はそれぞれがそれぞれの問題を引き起こす要因にもなり得るので、発生頻度が高くなると、より地球温暖化を加速させてしまう懸念があります。
もし毎年当たり前に発生するようになると、地球温暖化を止めるのはさらに難しくなってしまいます。
未来の人類に今よりも大きな困難を残さず、未来の人類に誇れるようにするために、是非一緒に温暖化対策に取り組んでいきましょう。
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