カーボンクレジットだけじゃない。生物多様性クレジットのお話。

   by kabbara        
カーボンクレジットだけじゃない。生物多様性クレジットのお話。

いつもお読みいただきありがとうございます。Kabbara沼倉です。カーボンクレジットという仕組みが一般化され、今では当たり前のように世界中で取引が行われていますが、カーボン、つまり炭素以外に関連したクレジットも存在することをご存知でしょうか?

本日紹介するのは、カーボンクレジットの次にトレンドになっていくと噂されている”生物多様性クレジット”についてお話したいと思います。

生物多様性クレジットとは?

そもそも生物多様性とはなんでしょうか?

生物多様性とは、地球上の人間も含む生き物が複雑で様々な生態系を作っているという実態そのものを表しています。人間のように科学の力で街を形成し、社会を作って生活している生き物もいれば、森林に住み群れを作らず生活している動物や海の中で生涯を過ごす生き物など様々です。

そのような生物多様性は、それぞれの生き物の生きていく方法によって他の種類の生き物にいい意味でも悪い意味でも影響を与えていることは簡単に想像できるでしょう。

悪い例を挙げるなら、人間という生き物の経済発展によって森林伐採や水質汚染など様々な影響によって他の生き物の生活が脅かされていますね。人間以外のあらゆる生き物に当てはまります。

そういう状況の中で、より多様性を守り多種多様な生き物が生きやすくするための貢献性をカーボンクレジットのようにクレジット化する仕組みが生物多様性クレジットです。

開発で失われる生物多様性を別の場所で再生・復元し、生態系への負の影響を相殺しようとする試みなどがあります。例えば、空港建設でフラミンゴが生息する湿地を破壊せざるを得ない場合、建設会社はクレジットを使って近隣地域で類似の環境を保護する活動に力を入れる、といった方法です。

生物多様性クレジットの種類

生物多様性クレジットには、以下のような種類があります。

生態系クレジット(ecosystem credit)
生態系の保護や復元に貢献した活動やプロジェクトに対して与えられる金銭的価値を持つ単位をいいます。生物多様性の保全や環境の改善に取り組む企業や個人によって取得され、販売や取引が行われることで、生態系サービスの価値を評価し、経済的なインセンティブを提供することができます。

種クレジット(species credits)
種クレジット(Species Credit)は、生物多様性の保全や絶滅の危機に直面する種の保護に貢献した活動やプロジェクトに対して与えられる金銭的価値を持つ単位です。種クレジットは、生態系の健全性と種の生息地の保全に焦点を当てています。

このように、カーボンで確立されたクレジット制度は、本日紹介した生物多様性だけではなく今後様々な分野で採用されていくのではないかと予想されます。Kabbara Timesではこのような他のクレジットの試みの最新情報に関してもなるべく早くみなさんに情報をお届けしていきます。

少し専門的な資料になりますが、環境省のこちらの資料も参考にしてみてください。
生物多様性オフセット・バンキング制度等について
https://www.env.go.jp/content/000082493.pdf

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