いつもお読みいただきありがとうございます。J-クレジットのプロジェクト登録件数は、年々増加しており、240件だった2013年と比較すると2022年度は994件と約4倍ほどの伸び率となっています。結果からも分かるように、多くの企業・団体がJ-クレジット制度を積極的に活用するようになっており、この結果は、創出側も購入側双方にメリットがあることが大前提となっています。
それでは具体的に、Jクレジットを活用する【Jクレジット創出者】【Jクレジット購入者】それぞれのメリットを見ていきましょう。
Jクレジット創出者
J-クレジット創出者は、CO2削減のプロジェクトを実施することによってクレジットを発行することができます。第一に、CO2排出量削減を行うことで環境保全に貢献することができ、同時に収益化に繋げられるなどカーボンニュートラルに向けたさまざまなメリットを得ることができます。メリットとして以下が挙げられます。
・クレジット売却益(純粋な売上、投資費用の回収や更なる投資への活用)
・新規事業設立のチャンス
・省エネ設備の導入や再生可能エネルギーによるエネルギーコストの低減
・温暖化対策に積極的な企業、団体としてのPR効果
・カーボンニュートラルに関わる企業や自治体等との関係強化
最大のメリットはクレジットの販売による収益となりますが、Jクレジットを創出しているという立場上、環境保全活動を行っている企業としてPRできたり、関連企業や自治体など他社と関わりを持つことができたりと、様々な恩恵を受けられます。
Jクレジット購入者
クレジット活用者(購入者)にもメリットが期待できます。クレジットを購入することで自社が排出しているCO2とオフセットできることはもちろん、設備の導入コストがかかるなどの理由で、思うようにCO2排出削減目標量が出せない企業などにとっては、購入という形でCO2排出量削減に貢献することができます。また、クレジットを購入することで以下のようなメリットも得ることができます。
・カーボンニュートラル企業としてのPR
・森林保全活動の後押しなど、環境貢献企業等としてPR効果
・製品・サービスにかかるCO2排出量をオフセットすることで、差別化やブランディングを向上
・CDP質問書及びRE100達成のための報告等でのクレジット購入のPR
クレジットを購入することで、気候変動に高い関心を持つ企業として外部に認知されるようになりますし、商品と組み合わせることにより商品の差別化に繋がることは購入メリットとして非常に大きく、今後活用する企業が増えていくのは間違いないでしょう。
クレジットそのものの価格も右肩上がりで上昇しており、創出側にとっても購入側にとっても非常に需要が上がってきていることが分かります。グラフによると再生エネルギー関連の価格が特に上昇してしているように見えますが、今後は再生可能エネルギー以外の森林管理クレジットなどの種類のクレジットの創出も増加しているので、他のクレジットに関する今後の上昇も見込めます。
CO2排出削減量を売り買いすることで、環境保全と経済の好循環を生み出すJ-クレジット制度を有効活用して、創出側としても購入側としても自社の脱炭素への貢献と企業価値をアピールしていきましょう。
最後までお読み頂きありがとうございました。次回の記事を楽しみにお待ち下さい。