いつもお読みいただきありがとうございます。東京証券取引所を始め、SBI銀行が発足した取引所Carbon EXのサービス開始など、カーボンクレジット市場が活発化していく準備が日々整えられています。
そんな中で、カーボンクレジットをビジネスに組み込もうとしている事業者は増えている一方、カーボンクレジットそのものの品質や価値自体に再度注目が集まっています。
カーボンクレジットを発行するにあたり国際的な基準の指標として『カーボンコア原則』という原則を聞いたことがあるでしょうか?
本日は、カーボンクレジットにおける最重要項目である『カーボンコア原則』を解説します。
カーボンコア原則とは
まず始めにお伝えすべきこととして、世の中で発行されているカーボンクレジットは全て統一化された品質ではない、という事を理解しておかなければいけません。
クレジット発行を認証する機関・団体は数多く存在し、国が管理するレベルのものから、民間の一企業が認証しているものまで様々です。
認証の工程や審査基準は基本的にそれぞれ異なるため、各機関・団体から承認されたクレジットの品質はバラバラです。
つまり、品質がバラバラであるということは、カーボンクレジットを購入した価格そのものが適正である判断が非常に難しいことに加えて、カーボンクレジットを発行する工程が不透明だったり、最悪なケースとしてはCO2削減がなされていないのにも関わらずクレジットの発行が実現してしまうケースもあり、世界的な問題になっています。これを『グリーンウォッシュ』と呼び各国・各機関は警笛を鳴らしています。
このような背景から生まれたのが、『カーボンコア原則』です。
つまり、認証団体は異なっても最低限の品質を保証し、間違いなくCO2の削減がなされているかどうかを証明する工程基準を用意したのです。
カーボンコア原則の概要
これまでのカーボンクレジットにおけるグリーンウォッシュ問題をクリアするために、各認証団体は下記のような約束事を審査の原則としています。
◆「効果的なガバナンス」「透明性」「トラッキング」「堅牢な独立した第三者による検証と検証」
→カーボンクレジットの取り組みは、透明性、説明責任、継続的な改善、クレジットの品質保持に関して、常に厳正な管理を行ない、全てのクレジット情報を開示し、誰でも見ることができるものとすることを原則にしています。
◆「排出削減量と排出量を確実な定量化」「二重カウントなし」「追加性」「永続性」
→CO2の削減量は厳密に定量化され、2重で削減量をカウントしないこと。さらに、クレジット収益によるプロジェクトの運営化や、削減方法が永続性のあるものかどうかなど、さらに細かな原則に適応する必要があります。
上記はあくまでも原則の一部ですが、ほんの一部でも非常に厳格な指標があることが想像していただけると思います。
今後活性化していくクレジット市場では必ずと言っていいほど『グリーンウォッシュ』に当てはまるようなクレジットや、非常に粗悪な品質のクレジットも世の中に出回ります。
高品質かつ、本当にCO2削減に貢献のできているクレジットがどうか、私達は見極めていく必要がありますので、今後このカーボンコア原則を意識していきましょう。
カーボンコア原則については、まだまだ細かな取り決めがあるのと、理解が難しい内容のものもあるので、また別途記事して公開いたします。
最後までお読み頂きありがとうございました。次回の記事を楽しみにお待ち下さい。