現在、世界で統一化されている目標として脱炭素化が重要なテーマとなっています。そのテーマの中で、必ずと言っていいほど登場するキーワードとして、カーボンニュートラル、ネットゼロ、オフセット、ゼロ・エネルギーなどが挙げられますが、意外に厳密な定義までは知られていません。
カーボンニュートラルとネットゼロは意味が違うの?
カーボンニュートラルとネットゼロ、この2つのキーワードは脱炭素化社会をテーマとした言葉の中で最も使われる言葉ではないでしょうか。
結論からお話すると、この2つ言葉は現在においてはほとんど同じ意味合いで使われていますので、あなたが今想像するカーボンニュートラルの意味でネットゼロと言っても良いですし、ネットゼロの意味でカーボンニュートラルと言っても間違いではありません。
間違いではないものの、元々はそれぞれ厳密な定義があったり、国や機関によっては使い分けしていることもぜひ参考までに覚えておきましょう。特に海外の会社との取引がある方は覚えておいて損はないでしょう。
カーボンニュートラル、ネットゼロのそれぞれの意味
①カーボンニュートラルとは・・・
CO2排出量(と吸収量)がいずれにも偏らない=CO2排出量がCO2吸収量と中立している状態のこと
②ネットゼロとは・・・
CO2排出量が正味ゼロであり、実質のCO2排出量がゼロであること
いかがでしょうか?この意味を見ても、前述の通り、最終的な状態としては同じ状態であるため同じ意味合いで使うことができます。しかし、どちらかというと、カーボンニュートラルが排出と吸収のバランスを表しているのに対し、ネットゼロは排出量に焦点を当てた言葉になります。
厳密な使い分けとして、”ネットゼロ状態とすることをカーボンニュートラルとする”という表現をしている組織も存在します。(イギリスの気候変動省など)
また、他の機関では、ネットゼロは、パリ協定で示された目標の達成であることに対し、カーボンニュートラルは必ずしもパリ協定で示された目標達成に沿わなくても良い、とする定義も存在します。
こんな風に説明されると、本当に何が本当の定義なのかわけが分からなくなり、混乱してしまいますね。
ですので、あくまで今解説したような事は参考程度に覚えておいていただき、あくまでも私たちが目指すゴールは、CO2排出量の実質ゼロ化なんだ、と覚えていただき、そのことをカーボンニュートラルもしくは、ネットゼロと呼ぶと認識していただければ全く問題ありません。
このように、脱炭素化に向けた働きはどうしても海外発信が多く、必然的に英語が多様されますので、日本語を母国語とする私たち日本人には少々混乱のタネになることも少なくありません。
他にも、カーボンネガティブ、クライメートネガティブ、カーボンディスクロージャー、など普段聞き慣れないキーワードはとても多いのですが、SDGsやカーボンニュートラルという言葉が今では当たり前に使われるようになった現在のように、いずれそのようなキーワードも徐々に一般化していくと思います。
できる限り、このKabbara Timesではキーワードの定義や解説に関しても今度記事としてアップしていき、脱炭素社会に取り組むみなさんのお役に少しでもたてるようにしていきます。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。