微生物発電が革命を起こす可能性

   by Kenta Watabe        
微生物発電が革命を起こす可能性
2022年1月の電気料金が、大手電力会社すべてで5ヶ月連続値上がりしています。
東京や沖縄、中部、中国、東北の5電力会社では2021年1月と比べ1,000円以上値上がりしており、家計を直撃しています。 日本は、天然ガスを液化しLNGとして海外から調達し、火力発電所の燃料などに使っており、今、世界中で高騰しているのはLNGのスポット価格であり、アジアのLNGスポット価格(JKM)は2021年に過去最高値を2度も更新されています。
そんな中で近年、温室効果ガスや、二酸化炭素を排出しないクリーンな発電方法として注目されている「微生物発電」というものがあります。
実はこの微生物発電については、何年も前から注目されており、多くの大学や企業などで研究が進められているのです。 1970年代に、宇宙基地のエネルギー源としての期待からアメリカのNASAで研究されたといわれています。当時は得られた電気の出力があまりにも低かったことなどから大きな注目を集めるには至りませんでした。
しかし、1990年代の終わりごろ、効率よく電子をマイナス極に伝達する能力のある微生物が発見され、それに加え21世紀になって装置に改良が加えられるに伴い、微生物発電に大きな関心が寄せられるようになってきました。

微生物発電の仕組み

この微生物発電の仕組みは、微生物が、有機物を分解する際にエネルギーを得るとともにプロトン(水素イオン)と電子を放出する。これらが酸素と反応して水になる。この電子を電極に集め発電するというものです。
微生物燃料電池は左図のように、泥の中に埋めたアノード電極(マイナス)が微生物の排出した電子を受け取って、カソード電極(プラス)で酸素に電子を渡すことで電子が流れます。微生物燃料電池は泥の中から電子を回収するので還元物質は酸化物になっていきます。酸化物が多くなった泥のヘドロ化は解消されていきます。微生物燃料電池は発電しながら泥を浄化していくことができます。

その他の取り組み

①持続可能なまちづくりを進める「SDGs未来都市」に国から選ばれた鳥取市では、産学官と連携し「自然エネルギーの創出と活用による農村イノベーション」の実現を掲げ、微生物発電の実用化を目指した実証実験が、市内の耕作放棄地で進められています。
②土の中にたくさんいる微生物を使い、田んぼで発電させる研究が、東京薬科大学の渡邉一哉教授ら研究グループにより行われています。渡邉教授が期待しているのは、下水処理での微生物燃料電池の活用。下水に含まれる有機物を使って発電すれば、有機物を除去して水をきれいにしながら発電できるなど、メリットが多い。とコメントされております。

土壌環境改善による微生物増加、それによって発電という別の価値につながり、さらにそれが土壌の環境を良くするという価値につながっていく・・・。

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