排出量取引への参加が、脱炭素20兆円支援の要件になります。

   by kabbara        
排出量取引への参加が、脱炭素20兆円支援の要件になります。

2024年1月12日の日本経済新聞朝刊1面に「排出量取引参加、脱炭素20兆円支援の要件に」という記事がありました。政府は企業に排出量取引制度への参加を求めます。業種別に温暖化ガス排出削減の指針をつくり、目標を達成できない企業に指導や勧告を検討します。排出量取引制度とはどのようなものなのでしょうか。

・温暖化ガス削減へ排出量に上限も…
・目標達成できない企業へは、26年度から指導検討

▼排出量取引
二酸化炭素(CO2)など温暖化ガス排出に価格をつける手法。国や地域による規制に基づき「排出枠」を売買する公的なコンプライアンス(義務的)市場と、森林保護などの排出削減効果を民間団体が「カーボンクレジット」と認定し売買するボランタリー(自主的)市場がある。日本においては政府が主導にて行うJクレジットなどがある。

温暖化ガス削減へ排出量に上限も…

排出量取引とは二酸化炭素(CO2)など温暖化ガス排出に価格をつけて効率的に減らす手法の一つです。欧州連合(EU)や中国、米国の複数の州も導入し、世界で普及しています。EUなどの制度では企業の排出量に上限を設け、それを超える分は排出枠を購入する必要があります。経済産業省は2025年の通常国会に提出をめざすグリーントランスフォーメーション(GX)推進法の改正案に対策を盛り込む予定です。

日経電子版より引用

目標達成できない企業へは、26年度から指導検討

EUは大規模発電所や工場などに参加を義務づけ、制度を始めた05年以降、対象業種の排出を37%減らしました。日本では23年度に参加を義務づけない形で始まり、日本製鉄やトヨタ自動車、東京電力ホールディングスなど568社が名を連ねます。参加企業は排出削減目標を定めますが、内容は自主的に決められます。ただ、26年度からは目標を達成できない企業に政府が指導できるようにするなど、順守義務も検討します。


日本は2050年に温暖化ガス実質排出ゼロの実現をめざし、まず2030年度に2013年度と比べて46%減らす目標を掲げます。これまでは企業の負担に配慮して取り組みを強制してきませんでしたが、日本の排出量取引は欧州などと比べて遅れています。温室効果ガス削減が遅れている企業にとっては、参加しないことで支援を受けられない影響は小さくありません。制度の実効性を高めるために対応を迫り、脱炭素を後押しする狙いです。

上記内容からも、今後ますます企業の環境への取り組みは、企業価値向上へ直結することが、うかがい知ることができます。しかし、「具体的にどのように、どこから手を付けたら良いのか解らない。。。」といった中小企業の実態があるのも事実です。

▼国際基準に整合した中小企業版SBTへの参加は、こちらからどうぞ。

コラムカテゴリの最新記事