経済産業省がホストとなり「カーボンニュートラルの実現に向けたカーボン・クレジットの適切な活用のための環境整備に関する検討会」は開催されています。第一回検討会は2021年12月8日に開催され、現在は第三回まで開催されました。カーボンニュートラルの実現は、この地球に住んでいる我々にとって、決して目を背けることのできない重要課題です。まだまだ有識者による検討会の段階ではありますが、検討しているテーマを知ることは、皆さんの会社にて行われるカーボンニュートラルへ向けた取り組みや、今後のプラン設計にも十分ご参考になる内容かと思います。検討会の内容はレポートされていますので、この記事の最後にURLを貼っておきます。
ちなみにレポートの目的は、
- 多様なカーボン・クレジットの意義・活用方法を整理すること
- カーボン・クレジットを通じた日本の排出量削減目標達成を促進するための取り組みの方向性を整理すること
- 我が国における「カーボン・クレジット市場」の方向性を示すこと
という整理になっています。詳細はぜひレポートにてご確認ください。
本日、一部抜粋としてご紹介させていただきたい内容は、
・我が国での排出量削減に資するカーボン・クレジットの整理
・我が国での排出量削減に資するカーボン・クレジットの整理
カーボンニュートラルの実現へ向け、カーボンクレジットの活用はとても重要なテーマですが、沢山の課題もあります。クレジットにも世界各国に様々な種類があり、クレジットの承認基準、運用ガイドラインも曖昧な状況です。だからこそ、日本としても整理する目的で検討会が行われているようです。(※この内容もレポートに記載されています)
検討会では、クレジットの性質と種類として4つに整理されています。
- 我が国の NDC※の達成に資するカーボン・クレジット
・Jクレジット/JCM(二国間クレジット) - J-クレジット制度によらない国内の炭素吸収・炭素除去系ボランタリークレジット
- 我が国の経済と環境の好循環に寄与する国内外のボランタリークレジット
- 世界全体での排出量削減に貢献するカーボン・クレジット、地域・個人の行動変容に貢献する カーボン・クレジット
※各国が国連に提出する国別削減目標(NDC: Nationally Determined Contributions)
現在の整理では、NDCに組み込まれるクレジットは1に整理されているJクレジット/JCM(二国間クレジット)のみとなっています。(ちなみにKabbaraは、当然ここに分類されるJCMを目指しています。)そして、今回のレポートにも記されている注目するコメントがあります。
JCM 以外のパリ協定6条2項のルールに従って相当調整がなされたボランタリークレジット及び国連が管理・運営する国連管理型メカニズムに特化した6条4項に基づくカーボン・クレジットについても、JCMと同様に日本の NDC への活用を行うのかといった論点についても、今後検討を行うべきである。
つまり、上記条件を満たしているボランタリークレジット(民間セクター主導)もNDCに組み込むことも検討すべきである。ということです。このボランタリークレジットの取り扱い整理については、私たちKabbaraがとても大きく注目しているポイントです。もちろん組み込まれないことを想定しての事業計画をたてているのですが、認められるようになれば今の計画よりも数段インパクトのある取り組みになること間違いなしです。
いつもお伝えしている内容ですが、地球の未来を大きく左右する分岐点と言われる2030年まで、8年を切りました。ゆっくり、ぼちぼちなんて言ってはいられません。みなさまのカーボンニュートラル実現になくてはならない存在となるべく、Kabbaraの取り組みが一日も早く社会に実装されるよう、とにかく走り続けます。今後とも、応援下さいますようよろしくお願い致します。
最後まで、お読みいただき有難うございました。
追伸:
6.3.1. 「カーボン・クレジット市場」の創設
将来的には、カーボン・クレジットによるプライシング効果だけではない、世界の ESG 資金が誘導され、カーボンニュートラル時代の情報ハブを日本に引き込む動きとしての市場の成長を見据え、国際的に認められたボランタリークレジット等も含む、より広い形でのカーボン・クレジット取引市場の在り方についての検討が、官民双方のプレーヤーにより進められるべきである。(一部抜粋)
6.3.1. 「カーボン・クレジット市場」の創設
将来的には、カーボン・クレジットによるプライシング効果だけではない、世界の ESG 資金が誘導され、カーボンニュートラル時代の情報ハブを日本に引き込む動きとしての市場の成長を見据え、国際的に認められたボランタリークレジット等も含む、より広い形でのカーボン・クレジット取引市場の在り方についての検討が、官民双方のプレーヤーにより進められるべきである。(一部抜粋)
ぜひ、実現していただきたいと切に願います。