カーボンニュートラルへの取り組み紹介(滋賀編)

   by Tsuyoshi Mizushima        
カーボンニュートラルへの取り組み紹介(滋賀編)
先日、久しぶりに滋賀県へ行ってまいりました。滋賀県は私にとってとても想い出深い場所で、当時生業としていた企業研修開催の為に、ほぼ毎月琵琶湖のほとりにある研修施設へと通っていました。京都駅から乗り継ぐ電車からの景色や匂いがとても懐かしく、癒やしの一時となりました。
最近は、毎日Kabbaraの取り組みをご紹介する機会をいただいています。いろんな方とお話をしていて一番感じることなのですが、カーボンニュートラルという言葉は知っていても、カーボンニュートラルへの具体的な取り組みに関しては意外と知られていない。という点です。私もこの事業にかかわり始めた頃は、知らないことだらけでした。
久々に訪れた滋賀県へ感謝を込めて今回の記事は、表題の通り「カーボンニュートラルへの取り組み(滋賀編)」をお届けいたします。
滋賀県は、令和2年(2020年)1月6日、2050年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロにすることを目指し、県民、事業者等多様な主体と連携して取り組む「しがCO₂ネットゼロムーブメント」キックオフ宣言をしました。
下記、画像が中期目標です。
滋賀県は2013年度を起点とし、二酸化炭素排出量1,422万トンから2030年度までに711万トン(▲50%)削減の目標を掲げています。実績ベースですと2013年から2019年の7年間で316万トンの削減に成功しています。では、どんな取り組みによって削減を進めていくのか、滋賀県の2030年に向けてのアクションプランをご紹介します。

CO₂ネットゼロ社会の実現に向けた挑戦

1)CO₂ネットゼロにつながる快適なライフスタイルへの転換
▼2030年度目標
・県民1人あたりのCO₂排出量 67%削減
・県内の乗用車の新車販売に占める次世代自動車等の割合 70%
2)自然環境と調和するCO₂を排出しない地域づくり
▼2030年度目標
・事業者行動報告書の対象事業者の温室効果ガス排出削減量 50%削減
・EV・PHV用の充電器設置台数 急速充電器 390基 普通充電器 1,560基
3)新たな価値を生み出し競争力のある産業の創出
▼2030年度目標
・事業者行動報告書の対象事業者の温室効果ガス排出削減貢献量 120万t-CO₂
4)資源の地域内循環による地域の活性化
▼2030年度目標
・モデル的な地域の取り組みとして県が選定する活動の件数 20件以上
・下水道施設から得られたバイオマスの燃料化による温室効果ガス排出削減の貢献量 8,600t-CO₂
5)革新的なイノベーションの創出
▼2030年度目標
・イノベーションにつながる新たなプロジェクトの件数 10件以上
6)CO₂ネットゼロ社会に向けたムーブメントの創出
▼2030年度目標
・「CO₂ネットゼロにつながる取り組みを行っている」と回答する県民の割合 100%
7)気候変動への適応
▼2030年度目標
・「気候変動リスクへの備えができている」と回答する県民の割合 60%
8)県における率先実施
▼2030年度目標
・県庁における温室効果ガス排出量(2014年度比) 50%削減
この計画を見ると、各企業に対しどんな取り組み(啓蒙活動含む)を求めているのかがよくわかります。若干フワッとした内容も含まれていますが、基本的には定量化された目標が設定されています。そしてここでも思うことは、やはり、「それぞれの削減努力だけではとても厳しい」ということ。
それでは、続いてカーボンクレジットに関する活動を紹介します。

びわ湖カーボンクレジット創出・活用の推進

滋賀県では、国の認証制度である「J-クレジット」に認証されたものの中で、県内で生み出されたクレジットを「びわ湖カーボンクレジット」として、普及促進の取り組みを進めています。
・県内の省エネ機器や再生可能エネルギー導入によるCO₂排出削減の活動および適切な森林整備活動によるCO₂吸収源確保。(←クレジットの創出)
・どうしても排出してしまうCO₂についてオフセットするような商品・サービスの開発(←クレジットの活用)
この取り組みを進め、CO₂ネットゼロに向けた事業者や団体の行動を促進するとともに、開催されたオフセットイベントへの参加やカーボンクレジット付き商品を県民の皆さんが手に取ることを通して、一人ひとりがCO₂の排出量を意識し、CO₂ネットゼロを「自分ごと」と捉え、さらなる行動へとつなげていきます。

「びわ湖カーボンクレジット」活用の期待できる効果

  • 滋賀県内の設備投資や森林保全を応援することで、地域貢献のPR。
  • 県内のCO₂削減(CO₂ネットゼロ:脱炭素)に直結。
  • 水源林である森林を整備することで生まれるクレジットについては、琵琶湖保全にも寄与。
  • 地産地消の取引による資金循環が行われ、地域経済の活性化。
  • クレジットを介した取引(商品やサービス)により、県内企業で新たな連携拡大。
当然、事業者によって削減できるポテンシャルは違います。だからこそ、各々の強みを活かしクレジットを有効活用することで、資金循環が生まれ、地域経済に多大な影響をもたらすことに繋がります。では、クレジット活用事例を一つご紹介します。

株式会社滋賀レイクスターズのクレジット活用

株式会社滋賀レイクスターズは、B.LEAGUE所属のプロバスケットボールチームです。2021-22シーズンのホームゲーム全試合がカーボンオフセット開催されています。オフセット対象は、会場運営にかかる電力使用により排出されるCO₂(12t)。
今回は、カーボンニュートラルへの取り組みとして、滋賀県をピックアップしてみましたが、ぜひあなたの地域の取り組みを、ホームページなどで確認してみて下さい。脱炭素の取り組みは、緊急性の高い最重要事項であることは、徐々にですが「認識」されてきています。しかし、「認識」と「実践」は全く次元が違います。まずは小さな一歩でも出来ることからはじめてみることが重要です。
Kabbaraは、あらゆるジャンルの企業が脱炭素を経営に実装できるソリューションを開発しています。そして「すべての企業が、脱炭素社会実現への立役者となる。」をイメージしています。
滋賀県のカーボンニュートラル達成へKabbaraのサービスがお役に立てるように、ますます気合い入れます。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
出典:滋賀県CO2ネットゼロの取組(温暖化対策)
Kabbaraは、社会課題へ取り組むプレイヤーが個々で活動するのではなく、共同、連携して課題解決に取り組むための一つのスキーム(コレクティブインパクト)を形成していきます。カーボンニュートラルの実現へ関連情報の発信拠点となり、皆様オリジナルの活動にも最大限活かしていただける双方向での交流を深められるよう「Hundred Million」ワーキンググループメンバーも随時募集していますので、ぜひご興味のある方はこちらよりご参加ください。

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