マインクラフト(ゲーム)で楽しく学ぶ気候変動

   by Takumi Hisamatsu        
マインクラフト(ゲーム)で楽しく学ぶ気候変動
「好きこそ物の上手なれ」
好きでやっていることは一生懸命になるし、それに関して勉強したり工夫したりするので、自然に上達するものである、という意味のことわざですね。
僕は色んな場面でこのことわざを実感することが多いです。
正月実家に帰省した時、好きな曲のピアノ部分を弾けるようになりたかったので、経験者の妹に教えてもらい帰省期間のわずか1週間で両手で弾けるようになったときは、このことわざを思い出しました(笑)
勉強は一切身に入らないのに、趣味や遊びなどの好きなジャンルのことになると、誰に言われなくとも勝手に勉強し、メキメキと上達していく。誰しもそんな経験があると思います。
今回は、そんな「好きこそ物の上手なれ」をうまく活用し、楽しみながら気候変動を学べないか?といった内容です。

世界的大人気ゲーム「マインクラフト」

「マインクラフト(Minecraft)」というゲームをご存知でしょうか?
マインクラフトは、サンドボックス型の冒険・ものづくりゲームとして全世界で月間アクティブユーザー数約1億4千万人、ソフトウェアの販売数2億3,800万本以上、YouTubeで見られたゲームの動画再生回数世界1位を誇る大ヒットゲームです。
出典:マインクラフト公式サイトより
小学生でも楽しめる簡単な操作方法で、決められた目標は設定されておらず、「冒険」「建設」「採掘」「牧畜」「農業」などを自由に行えることが魅力です。
僕自身、数年前にパソコン版からスタートし、iPhone版、現在は任天堂Switchでもプレイするほどドハマりしているゲームです。新型コロナウイルスで外出が規制されていた2020年は、オンライン上で毎週のように友達とプレイし、家の建設、資材の採掘、食料の確保とそれぞれ担当を決めて協力していました(笑)
You Tubeでのプレイ動画の影響もあり子供たちからの人気も高く、小学生の10人に1人がプレイしているほど、「マイクラ」という言葉は、現在の小学生の共通言語にもなっています。
そんな子供も大人も楽しめるマインクラフトですが、ただゲームとして遊ぶだけでなく、教育の分野にも活用されています。

マインクラフトの教育的効果

ものづくりの方法が学べる

マインクラフトでは、道具・武器・住まいなどをすべて自分で作ります。
例えば、寝る時に必要になるベッドを作るには、木を伐採し木材を作り、羊を探してハサミで羊毛を刈り取り、それらを組み合わせます。もちろん、木を伐採するときの斧や、羊毛を刈り取るためのハサミも、木や石や鉄で作るところから始まります。
あれを作るには何が必要か?と組み立てるルールや手順があるので、自然とものづくりの方法を学ぶことができます。

プログラミングが学べる

2020年よりプログラミングが小学校で必修になりましたが、マインクラフトはプログラミング学習に役立てることが可能です。
例えば、ゲーム内では自由に建築物を作ることができると言いましたが、プログラミングを使うことで効率的に作成できるようになります。通常だとブロックを1つ1つ手作業で積み上げる必要がありますが、プログラミングを行うことで自動で配置することができるようになり、自分のイメージ通りのものを効率的に作るために工夫することで、楽しみながらプログラミングを身につけることができます。
実際に徳島県や高知県では、小学3〜6年生を対象に、教育版マインクラフトを活用したプログラミング的思考学習が行われています。
出典:小学校を中心としたプログラミング教育ポータルより

MOD(拡張プログラム)で気候変動も学べる

マインクラフトにはMOD(モッド)と呼ばれる、拡張プログラムがあります。
マインクラフトはプログラミングの学習に役立てることができると話しましたが、プログラムを追加することでマインクラフトの世界に新しい要素を追加することができます。新しいアイテムが追加されたり、新しい敵キャラが追加されたりなど。
分かりやすい例でいうと、通常だと出てこない恐竜が出るようになったり、鬼滅の刃のキャラが出るようになったりなど、自由度が高く、色んな機能を拡張させることが可能です。
MODはすべてを遊ぶには時間がいくらあっても足りないくらい数多くの種類がありますが、そんな中に温室効果ガス(CO2)の概念が追加された「気候変動MOD」が存在します。
ゲーム内では、空腹をおさえるために食料となる牛肉や豚肉をかまどで焼いて食べる必要があります。このMODではかまどを使うとCO2が排出され、CO2レベルが上昇すると温室効果により地球温度も上昇し、嵐や洪水、山火事の発生や降雪の減少を引き起こすよう設計されています。
通常版では、敵キャラに襲われることはあっても災害は存在しないため、どんなにかまどを使おうと、木を伐採しようとも何も影響はありませんが、気候変動MODでは1つ1つの行動が温室効果の排出に繋がり、考えて行動しないと被害が出てしまい、頑張って作った家や畑が壊れてしまうリスクが生まれます。
出典:洪水により水没した世界丨マイクロソフトニュースより
災害を起こなさないためには温室効果ガスをできるだけ排出しないようにしないといけない
 ↓
そのためにはかまどを使わないようにしないといけない
 ↓
食料を肉から野菜中心に変えないといけないかな?

といった思考が、ゲームを楽しみながら自然と学べるというわけです。

親子で考えながら楽しく学べる

気候変動に対しては、ゲームの中だけじゃなく現実世界に存在する大きな問題です。子供だけではなく、大人にとっても良い学びになると思います。
親子でマインクラフトを一緒にプレイしている人も多いと聞きますが、気候変動対策をしながら理想の世界を作るにはどうすればいいのか?を、親も子供と一緒に考えながらプレイできると、親子の関係にとっても地球の未来にとっても良い影響が生まれることは間違いないです。
マインクラフトにこだわる必要はありませんが、こういった形で楽しく気候変動などを学べると、勝手に関心が高くなり、勉強し、自然と環境を意識した行動をとるようになることが期待できます。
「好きこそ物の上手なれ」。
Kabbaraが作りたい理想の社会を実現するためにも、関わる人が楽しみながら取り組めるよう知恵を絞り努力していきます。
まだまだ、これから研究開発が必要な部分も多いですが、DeFi、メタバース、NFT、web3、地球環境再生、土壌改良、温室効果ガス吸収、不耕起栽培、小規模農家改革、カーボンクレジット創出活動などに少しでも興味を持たれましたら、これら実現のためみなさまの活動へのご参加お待ちしています。
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