世界のブロックチェーン技術を活用した脱炭素関連プロジェクト10選

   by kabbara        
世界のブロックチェーン技術を活用した脱炭素関連プロジェクト10選

近年、地球温暖化対策が緊急の課題となる中、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが世界中で加速しています。その中で、ブロックチェーン技術は、その透明性、セキュリティ、分散性などの特徴を活かして、脱炭素関連事業における様々な課題解決に貢献することが期待されています。本日はブロックチェーン技術活用に関して取り上げたいと思います。

本日のトピック

  • 脱炭素関連事業におけるブロックチェーン活用の親和性
  • 脱炭素関連事業におけるブロックチェーン活用の課題
  • ブロックチェーン技術を活用した脱炭素関連プロジェクト10選

脱炭素関連事業におけるブロックチェーン活用の親和性

・カーボンオフセット市場の活性化
従来のカーボンオフセット市場は、不透明性や二重発行などの課題を抱えていました。ブロックチェーン技術を活用することで、これらの課題を解決し、より透明性が高く、信頼性の高いカーボンオフセット市場を構築することが可能になります。

・ 再生可能エネルギー取引の効率化
再生可能エネルギーの普及には、その取引の効率化が不可欠です。ブロックチェーン技術を活用することで、P2P電力取引やスマートグリッドなどの新たな電力取引モデルを実現し、再生可能エネルギーの利用促進に貢献することができます。

・脱炭素サプライチェーンの構築
製品のライフサイクル全体におけるCO2排出量を可視化・管理することは、脱炭素サプライチェーン構築の重要な課題です。ブロックチェーン技術を活用することで、サプライチェーンにおけるCO2排出量情報を透明性高く共有し、サプライチェーン全体の脱炭素化を実現することができます。

・環境情報の信頼性向上
環境情報の偽造や改ざんは、脱炭素政策の推進を阻害する要因となります。ブロックチェーン技術を活用することで、環境情報の改ざん防止やトレーサビリティの向上を実現し、環境情報の信頼性を高めることができます。

脱炭素関連事業におけるブロックチェーン活用の課題

・ 技術的な課題
ブロックチェーン技術は、まだ発展途上の技術であり、処理速度やスケーラビリティなどの課題を抱えています。これらの課題を克服するためには、技術的な革新や標準化の推進が必要となります。

・規制/法整備
脱炭素関連事業におけるブロックチェーン活用の普及には、規制・法整備の整備が不可欠です。特に、カーボンオフセットや再生可能エネルギー取引などの分野においては、明確なルール作りが必要となります。

・コスト
ブロックチェーン技術の導入には、初期投資や運用コストなどのコストがかかります。これらのコストを削減するためには、技術革新や効率化の推進が必要となります。

世界のブロックチェーン技術を活用した脱炭素関連プロジェクト10選

Veridium:

  • プロダクト: カーボンクレジットをデジタルアセットとしてトークン化し、ブロックチェーン上で取引可能にするプラットフォーム。
  • 特徴: IBMのブロックチェーン技術を活用し、カーボンクレジットの透明性と信頼性を向上。企業は自社のカーボンフットプリントを正確にオフセットすることができる。
  • URL: Veridium Labs

CarbonX:

  • プロダクト: カーボンクレジットをトークン化し、消費者や企業が簡単にカーボンオフセットを行えるプラットフォーム。
  • 特徴: 消費者は日常の購買活動を通じてカーボンオフセットトークンを獲得し、これを利用して環境保護活動に参加することができる。
  • URL: CarbonX

Poseidon:

  • プロダクト: リテールおよび消費者向けに、購入ごとにカーボンオフセットを可能にするプラットフォーム。
  • 特徴: 毎回のトランザクションで自動的にカーボンオフセットを計算し、その分のカーボンクレジットを購入することで、環境保護に貢献。
  • URL: Poseidon

Nori:

  • プロダクト: カーボンクレジットをデジタルマーケットプレイス上で取引するプラットフォーム。
  • 特徴: 農業生産者や土地所有者が土壌の炭素吸収能力をトークン化し、これを市場で販売することで、カーボンクレジットを収益化。
  • URL: Nori

Energy Web Foundation (EWF):

  • プロダクト: エネルギー業界向けにブロックチェーン技術を活用した分散型プラットフォームを提供。
  • 特徴: 再生可能エネルギーの追跡や証明、取引をブロックチェーン上で行い、エネルギーの透明性と信頼性を向上させる。
  • URL: Energy Web Foundation

Power Ledger:

  • プロダクト: 分散型エネルギープラットフォームを提供し、エネルギーの取引をブロックチェーン上で行う。
  • 特徴: 再生可能エネルギーの供給者と消費者を直接結びつけ、余剰エネルギーの取引を容易にする。スマートメーターと連携し、リアルタイムでエネルギーの供給と消費を追跡。
  • URL: Power Ledger

WePower:

  • プロダクト: エネルギーの前払い取引プラットフォームで、再生可能エネルギープロジェクトの資金調達を支援。
  • 特徴: 再生可能エネルギーの生産者はトークン化されたエネルギーを事前に販売し、プロジェクトの資金調達を行うことができる。購入者はトークンを使用してエネルギーを割引価格で購入可能。

SolarCoin:

  • プロダクト: ソーラーエネルギーの生産に対して報酬として配布される暗号通貨。
  • 特徴: ソーラーパネルで発電された1メガワット時(MWh)ごとに1 SolarCoinが発行され、ソーラーエネルギーの普及を促進。
  • URL: SolarCoin

ClimateCoin:

  • プロダクト: カーボンオフセットのための暗号通貨。排出量をオフセットするためのプロジェクトに投資するために使用される。
  • 特徴: カーボンクレジットをトークン化し、ブロックチェーン上で取引することで、透明性と効率性を向上。企業や個人が簡単にカーボンオフセットを行えるようにする。
  • URL: ClimateCoin

Swytch:

  • プロダクト: 再生可能エネルギーの生産に基づいてトークンを発行するプラットフォーム。
  • 特徴: エネルギー生産者は再生可能エネルギーを生産するたびにSwytchトークンを受け取り、これを取引や資金調達に使用可能。トークンはスマートメーターによって追跡され、ブロックチェーン上で管理される。
  • URL: Swytch

ブロックチェーン技術は、脱炭素社会の実現に向けた様々な課題解決に貢献する可能性を秘めた技術です。しかし、技術的な課題、規制・法整備、コストなどの課題も存在します。私たちはこれらの課題を克服し、ブロックチェーン技術を効果的に活用していくことが、脱炭素社会の実現に向けて重要であると考えています。

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