最近は、企業の社会貢献活動としてSDGsへの取り組みが当たり前になってきました。しかし、SDGsの目標ってたくさんあって、実際どれくらい貢献できているのか、分かりにくくありませんか?
「うちの会社、SDGsに貢献してる!…はず…。」
そんなモヤモヤを抱えている企業担当者の方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、SDGsへの貢献度合いを可視化できる「SBT(Science Based Targets)」の活用をご紹介します。SBTを活用すれば、SDGsへの貢献度合いを数値化し、より明確に示すことができるんです。
「SBTって一体何?」「どうやって活用するの?」
そんな疑問にお答えしながら、SBTとSDGsの関係、そしてSBT導入のメリットについて詳しく解説していきます!
SDGsとSBT:共通の目標
まずは、SDGsとSBTについておさらいしておきましょう。
SDGsは、2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標」です。17の目標と169のターゲットから構成され、貧困や飢餓、教育、環境問題など、世界が抱える課題を解決し、より良い世界を目指しています。
一方、SBTは、科学的根拠に基づいた温室効果ガス排出削減目標のこと。パリ協定(地球温暖化防止のための国際的な枠組み)で定められた目標を達成するために、企業が設定する排出削減目標です。
一見すると、別々の取り組みのように思えるかもしれません。しかし、SDGsとSBTには、「持続可能な社会の実現」という共通の目標があるんです。SDGsの目標13は「気候変動に具体的な対策を」です。地球温暖化対策は、SDGs達成に欠かせない要素の一つと言えるでしょう。SBTは、この目標13に直接的に貢献するだけでなく、他の目標達成にも間接的に貢献することができます。
例えば、SBT達成のために再生可能エネルギーを導入すれば、目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」にも貢献できます。このように、SBTとSDGsは密接に関係しているのです。
SBTでSDGsへの貢献度合いを「見える化」!
SBTは、企業のCO2排出削減目標を数値化し、その達成度合いを明確に示すことができます。これは、SDGsへの貢献度合いを可視化する上でも非常に有効な手段となります。
例えば、以下のような取り組みが挙げられます。
- 再生可能エネルギーの導入: CO2排出量を削減すると同時に、SDGs目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」にも貢献します。
- 省エネルギー化: CO2排出量を削減し、SDGs目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」や目標12「つくる責任 つかう責任」にも貢献します。
- サプライチェーンにおける環境負荷低減: CO2排出量を削減し、SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」や目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」にも貢献します。
このように、SBTの目標達成度合いを指標とすることで、SDGsへの貢献度合いを定量的に評価することが可能になります。「SDGsに取り組んでいます!」と言うだけでなく、「SBTを導入し、CO2排出量を〇%削減しました!これはSDGsの目標〇、目標〇に貢献しています!」と、具体的な数字で示すことができれば、より説得力が増しますよね。
SBT導入による具体的なメリット
SBTを導入することで、SDGsへの貢献度合いを可視化できるだけでなく、以下のようなメリットも期待できます。
1)企業価値の向上
ESG投資が注目される中、SBTの導入は企業価値向上に繋がります。
投資家は、企業の財務状況だけでなく、環境問題や社会問題への取り組みを重視するようになってきています。SBTを導入することで、企業の持続可能性に対するコミットメントを示し、投資家からの信頼を得ることが期待できます。
2)ブランドイメージの向上
環境問題に積極的に取り組む企業として、社会からの評価が高まります。
消費者は、環境に配慮した商品やサービスを選ぶ傾向が強まっています。SBTを導入することで、企業の環境に対する意識の高さをアピールし、消費者の共感を呼ぶことができます。
3)競争力の強化
環境への取り組みは、企業の競争力を高める上で重要な要素となります。
SBTを導入することで、環境負荷の低い製品やサービスを開発するなど、新たなビジネスチャンスを創出することができます。
4)従業員エンゲージメントの向上
従業員の環境意識向上やモチベーション向上に繋がります。
SBTの導入は、従業員一人ひとりが環境問題について考え、行動するきっかけとなります。
従業員のエンゲージメントが高まれば、企業全体の活性化にも繋がり、より良い企業文化を築くことができるでしょう。
まとめ
SBTは、SDGs達成度を可視化するための有効なツールです。SBTを導入することで、企業はSDGsへの貢献度合いを定量的に示すことができ、社会からの信頼獲得、企業価値向上、そして持続可能な社会の実現に貢献することができます。ぜひ、SBTへの取り組みを検討してみてはいかがでしょうか。
SBT認定について詳しく知りたい方はこちら