中小企業こそ脱炭素経営!その理由とメリットを徹底解説

   by kabbara        
中小企業こそ脱炭素経営!その理由とメリットを徹底解説

はじめに

地球温暖化が深刻化する中、世界中で脱炭素化への取り組みが加速しています。「脱炭素経営」という言葉も頻繁に耳にするようになりましたが、
「大企業が取り組むもので、中小企業には関係ないのでは?」
「コストがかかりそうで、うちの会社には難しい…」
そう思っていませんか?

実は、中小企業こそ脱炭素経営に取り組むべき理由がたくさんあるのです。本記事では、中小企業が脱炭素経営に取り組むべき理由とそのメリット、そして具体的な始め方について、わかりやすく解説していきます。

 

サマリー

  • 中小企業こそ脱炭素経営に取り組むべき
  • 脱炭素経営はコスト削減、企業イメージ向上、新規ビジネスチャンス創出など多くのメリットがある
  • CO2排出量を把握し、削減目標を設定し、計画的に取り組む
  • 経営層のコミットメント、社内体制の構築、外部機関との連携が重要
  • 自社の取り組みを発信し、社会に貢献していく

地球温暖化は、私たちの生活や経済活動に深刻な影響を与える喫緊の課題です。世界各国で温室効果ガス排出削減の目標が設定され、企業にも積極的な対応が求められています。特に、中小企業は日本企業の99%以上を占めており、そのCO2排出量は全体の約7割にものぼります。中小企業が脱炭素経営に取り組むことは、地球全体のCO2排出量削減に大きく貢献するだけでなく、企業自身の持続的な成長にもつながるのです。

社会的な責任
企業は、社会の一員としての責任を果たすことが求められています。環境問題への意識が高まる中、脱炭素経営に取り組むことは、企業の社会的責任(CSR)を果たす上で重要な要素となっています。消費者は、環境に配慮した商品やサービスを選ぶ傾向が強まっており、脱炭素経営に取り組む企業は、消費者からの支持を得やすくなるでしょう。

 

経済的なメリット
脱炭素経営は、コスト削減や新たなビジネスチャンスの創出など、経済的なメリットをもたらします。例えば、省エネルギー化を進めることで、電気料金などのコストを削減できます。また、環境に配慮した製品やサービスを開発することで、新たな顧客を獲得できる可能性もあります。

 

企業価値の向上
脱炭素経営に取り組むことは、企業価値の向上にもつながります。投資家は、環境問題に積極的に取り組む企業を高く評価する傾向があり、脱炭素経営に取り組む企業は、資金調達を有利に進めやすくなるでしょう。また、従業員の環境問題への意識を高めることで、企業のブランドイメージ向上にもつながります。

2. 中小企業が取り組む脱炭素経営のメリット

脱炭素経営には、以下のような具体的なメリットがあります。

コスト削減

  • 省エネルギー設備の導入や業務効率化による電気料金、燃料費などの削減
  • 廃棄物削減による処理費用の削減
  • 資源の有効活用による原材料費の削減

企業イメージの向上

  • 環境に配慮した企業として、顧客や取引先からの信頼獲得
  • ブランドイメージの向上による競争力強化
  • 求職者へのアピールによる人材確保の促進

新規ビジネスチャンスの創出

  • 環境に配慮した製品やサービスの開発
  • 再生可能エネルギーの導入による売電事業
  • 環境コンサルティング事業への参入

従業員の意識向上

  • 環境問題への意識向上による従業員のモチベーションアップ
  • 従業員満足度向上による離職率の低下
  • 人材の定着による生産性向上

補助金・融資制度の活用

  • 国や地方自治体による補助金制度の活用
  • 環境関連の融資制度の活用による資金調達

3. 中小企業のための脱炭素経営の始め方

脱炭素経営を始めるには、まず自社のCO2排出量を把握することが重要です。その上で、具体的な削減目標を設定し、計画的に取り組んでいきましょう。

CO2排出量の把握

  • 電気料金、ガス料金、燃料使用量などのデータからCO2排出量を算定
  • 専門機関の支援を受けて、より詳細なCO2排出量を把握

 

削減目標の設定

  • 現状のCO2排出量を踏まえ、具体的な削減目標を設定
  • 短期、中期、長期の目標を設定し、段階的に取り組む

 

具体的な取り組みの実施

  • 省エネルギー設備の導入
  • 再生可能エネルギーの導入
  • 業務効率化によるエネルギー消費量の削減
  • 従業員への環境教育の実施

 

PDCAサイクルの実施

  • 計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)のサイクルを回し、継続的な改善を行う

4. 脱炭素経営を成功させるためのポイント

脱炭素経営を成功させるためには、以下のポイントを押さえましょう。

経営層のコミットメント

  • 経営層が率先して脱炭素経営に取り組む姿勢を示す
  • 全社的な取り組みとして、従業員の意識統一を図る

 

社内体制の構築

  • 脱炭素経営を推進するための専任担当者を配置
  • 関係部署間で連携し、情報共有をスムーズに行う

 

外部機関との連携

  • 専門家やコンサルタントのアドバイスを受ける
  • 業界団体や地域社会との連携による情報収集

 

情報発信

  • 自社の脱炭素経営の取り組みを積極的に発信
  • ホームページや広報誌などで情報公開を行う

5. まとめ

脱炭素経営は、地球温暖化防止に貢献するだけでなく、中小企業の皆さまにとっても多くのメリットがあります。コスト削減、企業イメージの向上、新規ビジネスチャンスの創出など、様々な効果が期待できます。この記事を参考に、脱炭素経営に今すぐ取り組んでみませんか?きっと明るい未来が開けます。

参考文献

  • 環境省「中小企業の脱炭素経営促進事業」
  • 経済産業省「中小企業のための脱炭素経営ハンドブック」
  • 全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)ウェブサイト

SBT(Science Based Targets)とは?

SBTとは、Science Based Targetsの略で、科学的根拠に基づいた温室効果ガス排出削減目標のことです。パリ協定の「世界の平均気温上昇を産業革命前比で2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする」という目標達成のために、企業が設定する排出削減目標を指します。SBTは、CDP、国連グローバル・コンパクト、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)の4団体によって設立された国際的なイニシアチブであるScience Based Targets initiative(SBTi)により認定されます。

CDP、国連グローバル・コンパクト、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)の4団体

SBTが重要視されている理由は、企業の脱炭素化への取り組みを客観的に評価できる指標となるからです。SBTを取得することで、企業は以下のようなメリットを得られます。

  • ブランドイメージの向上
    環境意識の高まりとともに、消費者は企業の環境への取り組みを重視するようになっています。SBT導入は、企業の持続可能性に対するコミットメントを示すことで、消費者の共感を呼び、ブランドイメージ向上に繋がります。
  • 投資家からの評価向上
    ESG投資が主流となる中、SBTは企業の長期的な成長性を評価する上で重要な指標となっています。SBT導入は、投資家からの信頼獲得、資金調達、企業価値向上に貢献します。
  • 競争力強化
    SBT達成に向けた取り組みは、省エネルギー化、資源効率の向上、イノベーション促進など、企業の競争力強化に繋がる効果も期待できます。
  • リスク管理
    気候変動による事業リスクは、今後ますます高まることが予想されます。SBT導入は、気候変動リスクを早期に特定し、対策を講じることで、事業の安定化に貢献します。
  • 従業員のエンゲージメント向上
    環境問題への意識が高い従業員にとって、SBT導入は企業への愛着や誇りを高め、モチベーション向上に繋がります。

SBTは、企業規模や業種を問わず、あらゆる企業にとって有益な取り組みです。

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