以前、農業のAgriculture(アグリカルチャー)と技術のTechnology(テクノロジー)を組み合わせた造語、AgriTech(アグリテック)。この、アグリテックがアツい!という記事をご紹介させていただきました。
今回は、気候変動問題へ対処する技術やビジネスを意味する「気候テック(Climate Tech)」がアツい!という話をさせていただきます。
気候テック全体に対する投資額はここ数年伸び続けており、2021年第1〜3四半期に308億ドル(約3兆5500億円)と過去最高を記録しているなど今後の動向に熱視線が集まる気候テック業界。あのビル・ゲイツ氏が「次のGAFAが生まれるのは、間違いなく気候の領域だろう」と発言するほど今後の動向が注目されています。
これからの世界の中心になること間違いなしの分野ですので、是非お読みいただければと思います。
相次ぐ巨額投資 米国の気候テックユニコーンは200社以上
今年4月、CO2削減に取り組む日本の気候テックが、総額18億円を調達したというニュースが発表され話題になりました。
気候テックが多い海外では約9,500億円、1兆円に届きそうな額の資金調達を行っている会社も存在し、気候テック全体に多くの資金が集まってきています。
デロイトトーマツベンチャーサポートによれば、気候テック全体に対する世界の投資額は、2021年第1〜3四半期に308億ドル(約3兆5500億円)と過去最高を記録。
市場規模は年率9.5%伸びることが予測されており、2025年には3.5兆ドルに達すると言われています。
その背景としては、先進国各国がカーボンニュートラルについて明確な目標を打ち出している点や、気候変動が差し迫った問題であるとの認識が社会で広まったことや、若者世代の間でサステナビリティーへの関心が高まったことが挙げられます。
また、「サステナブル企業ランキングから分かるSDGs経営の重要性」の記事でも話したように、SDGsへの取り組みの有無によって投資判断をする機関投資家が増えていること。ベンチャーキャピタル業界では、2021年に入ってからだけでも気候特化ファンドがいくつか立ち上がってきていることも大きな要因の1つです。
主な気候テック4社
では、気候テックにはどんな会社があるのか?
海外から3つ、日本から1つ紹介します。
普段使いのSUVやピックアップトラックの領域でEVを提供「Rivian」
電気自動車(EV)と聞くと、イーロン・マスク率いるテスラが真っ先に思い浮かぶと思います。テスラは、かっこいいスポーツカーからEV市場に参入しているのに対して、Rivian(リビアン)はSUVやピックアップトラックのEVを製造しています。
2019年にAmazonが約990億円、Fordが約550億円を出資し、これまでに9,500億円と1兆円近い資金調達を行っています。Amazonは10万台のEV配送バンを発注済みで、2030年までに配送車両をすべて再生可能エネルギーで代替することを目指しています。
私たちがAmazonで注文した商品が、Rivian製のトラックに乗って届けられる日もそう遠くはないかもしれませんね。
カーボンキャプチャ(二酸化炭素吸収)の「Climeworks」
Climeworks(クライムワークス)は、スイス発のカーボンキャプチャ装置を開発するスタートアップです。
カーボンキャプチャとは、carbon capture and storage(CCS)のことで、二酸化炭素を捕集し、封じ込める技術のことを指します。
Climeworksでは、アイスランドの施設でブロック型の装置を積み上げて設置予定で、ここでは年間4,000トンのCO2を固定できるようになるとされています。
創業者は、小型でどこでも設置できるようにし、最終的に家庭の裏庭にも置けるようになると語っています。いずれ、各家庭で発生するCO2を裏庭で封じ込められるようになる日が来るかもしれません。
植物性の卵代替食品製造のスタートアップ「Eat Just」
Eat Just(イート・ジャスト)は健康的で栄養価の高い食品を提供することを目的としたスタートアップです。
植物性の卵を作ることで、コレステロールや飽和脂肪酸がゼロであるため、健康に悪影響を与えることなくタンパク源を摂取することができます。
また、これまでの卵に比べ、生産過程の水の使用量を98%、土地の利用を83%削減しており、より少ない水、より少ない土地で生産することで、持続可能性も高い卵となっています。
卵以外にも培養鶏肉を開発しており、2020年12月には、ラボ培養としては初めてシンガポール当局の認可を得てレストランで提供されて話題になりました。
以上が、海外の事例3つになります。
海外には気候テックが数多くあるので、調べると多くの会社が見つかりすごく面白いので是非調べてみてください。
CO2排出量見える化・削減クラウドサービス「アスエネ」
最後に日本の気候テックであるアスエネ。冒頭に紹介した、今年の4月に18億円の資金調達を行った日本の会社、それがアスエネです。
アスエネは、CO2排出量見える化・削減クラウドサービス「アスゼロ」を展開しており、企業の脱炭素経営の実現を支援しています。
これからの会社経営には脱炭素やSDGsなどを意識したサステナブル経営が欠かせなくなることはほぼ間違いありません。そこに乗り遅れてしまうと、それが会社の存続自体に関わってくる時代が迫っています。
そういった視点から考えても、脱炭素経営は今後の企業のスタンダードになる可能性が高く、アスエネにこれだけの資金が集まることは当然の結果だと感じますね。
気候テックベンチャー「世界トップ100」に日本企業はゼロ
アメリカの気候テック専門調査会社クリーンテック・グループが毎年公表する「グローバル・クリーンテック100」。
グローバル・クリーンテック100は、市場に大きな変革をもたらす可能性の高い気候テックのトップ100社をクリーンテック・グループが毎年選出し、公表しているレポートです。
これまでにテスラ(Tesla)や、先ほど紹介したリビアン(Rivian)など“大化け”した企業を多数輩出していることで知られ、この分野の先進的な技術開発動向を知る指標として、世界の投資家の注目を集めています。
その最新版となる「グローバル・クリーンテック100」2022年版が、2022年1月に発表されました。
アジアからは中国や香港から選出されている会社がありますが、日本から選ばれた会社はゼロが現状です。
私たちKabbaraは、先日発表させていただいた「新プロジェクト『Hundred million」PROJECT2030』」にも書いてあるとおり、土壌炭素貯留によるCO2削減を目指しています。気候テックは、”気候変動問題へ対処する技術やビジネスを意味”しているので、私たちKabbaraも気候テックに含まれると思います。
まだまだスタート段階ですので、当然この100社には入っていないですし、ここに入ることを目標にする必要もありませんが、目標に掲げている2030年のCO2吸収削減1億トンに向けて1つ1つ進み、結果としてこのランキングにも選出されるくらいの大きなインパクトを残せるよう努力していきます。
一緒に活動したい!もっと情報を知りたい!という仲間も随時募集中です!
まだまだ、これから研究開発が必要な部分も多いですが、DeFi、メタバース、NFT、web3、地球環境再生、土壌改良、温室効果ガス吸収、不耕起栽培、小規模農家改革、カーボンクレジット創出活動などに少しでも興味を持たれましたら、これら実現のためみなさまの活動へのご参加、お待ちしています。
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