私たちが温暖化対策をしなくてはいけない理由とは

   by Akihiko Sato        
私たちが温暖化対策をしなくてはいけない理由とは
こんにちは、佐藤です。
本日、10月20日は「リサイクルの日」ということで、今回は、地球環境のこと、とくに温暖化についての疑問、温暖化って本当に起こっているのか?などの情報収集をしていたところ、NASAの気温と太陽活動の関係というグラフにたどりつきました。面白そうでしたので、ちょっと調べてみました。
こちらが見つけたデータです。
赤い線は1880年以降の地球の表面温度変化です。
黄色い線は地球が受ける太陽のエネルギーで、1平方メートルあたりのワット(エネルギーの単位)で表したものです。
太陽エネルギーは横ばいか、低下気味になっているのに、地球の平均温度は上昇し続けています。
太陽エネルギーが低くなっているのに、平均気温が上がり続けています。
地球はいつからハイブリッド化したのか!?
でも、地球は寒冷化している!という声も聞こえてきます。
地球は氷河期に向かっている
小氷期に再突入する
というキーワードの検索をしていたときに見つけてしまいました。
果たして地球は温暖化へ向かっているのか?氷河期に向かっているのか?
始めていきたいと思います。
    目次
  • 地球温暖化とは何なのか?
  • 氷河期や小氷期は本当に来るのか?
  • まとめ

1.地球温暖化とは何なのか?

そもそも、地球温暖化の定義をしっかり復習の意味も込めて調べますと、
「地球温暖化とは、人間の活動が活性化していくにつれて、地球全体の平均気温が上昇している現象のこと。」
人の営みの影響ということですね。
現在の状態は「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次評価報告書(2021」)によりますと、
世界平均地上気温は、1850年から2020年の期間に1.09℃上昇している。
出典:日本気象協会「IPCC の気候変動に関する最新報告書のポイント 」
ということですので、現段階では温暖化の傾向にあるということです。
このグラフでは1850年からのスタートですので、急激に感じるかもしれないので、もう少し過去を参照してみましょう。

過去42万年の地球平均気温の時系列

四つの間氷期は、今から約125,000年前、28万年前、325,000年前、415,000年前に見られ、その間の氷期はずっと長いことが分かります。
ここで分かることは、以前の4つの間氷期はすべて、現在よりも暖かい (1〜3 ℃) ということです。
現在の世界平均気温は過去最高に高い!という事では無かったということが分かります。
“なんだ、今がものすごいピークじゃないじゃん!”
とも思いましたが、まだ上昇の余裕があると思うと少し冷や汗も…

2.氷河期や小氷期は本当に来るのか?

このまま温暖化が進み1.5度を守れない場合、過去最高の記録に達してしまう事にもなりかねません!
なんか気温上昇も下降もどちらも危ないという印象が沸き起こってきましたので、本題に入りたいと思います。
現在の平均気温の位置がピークならば、ここから氷河期へ向かうというシナリオになります。
温暖化ではなく小氷期へと向かっている!温暖化はウソ!という情報も検索すると出てきた内容は大きく分けると3つになります。
  • 太陽の黒点運動が減少している!?
  • 太陽内部の2つの電磁波が鏡写しのように相殺し「マウンダー極小期」のようになる!?
  • 氷河期への最大の影響は火山活動?

・太陽の黒点運動が減少している!?

太陽の黒点の数が少なくなると地球に到達するエネルギーも小さくなる。
なぜエネルギーが少なくなるのか?「太陽の無黒点運動が長く続いているということから」ですが、昨年あたりまではたしかに太陽活動の目安となる黒点が少ない状態が続いていました。
太陽の黒点が少ない周期を極小期といいます。黒点がほとんど観測されないことを「マウンダー極小期」とも呼ばれたりしますが、この時期にロンドンのテムズ川が凍り付くなど各地で寒冷化を示唆する記録が残っています。このため、太陽黒点との関連性に紐付けたようなものが見受けられました。
しかし、このところ太陽はとても元気なのだそうです。
太陽の活動周期は黒点数によって定義されます。2019年12月に、太陽は第25活動周期に突入しました。太陽活動の増大に伴い、最近では大型フレアの発生やそれに関連する報道も続いています。いくつかここに挙げてみましょう。
  • 2021年10月28日、第25周期で2件目となるXクラスフレアが発生。太陽面の中心付近(地球と正対する方向)で生じたため地球影響が懸念され、情報通信研究機構(NICT)による情報発信および各メディアで報道が行われた
  • 2022年2月3日に打上げられた49基のスターリンク衛星のうち、40基が大気圏に突入。直前に生じたフレアに伴って地球大気が膨張したことで、衛星の軌道が乱れたためとされる
  • 同3月から4月にかけて、多数のXクラスフレアが発生
  • 同5月3日、X1.1クラスフレアが発生。5月10日、X1.5クラスフレアが発生。

実際に黒点数とフレア発生数の変化を図示してみました。第25周期の活動度が急速に上昇していることが見て取れます。
参照 :このところ、太陽がとても元気です ─第25活動周期の太陽を見すえて
ちなみに現在の元気な太陽の状態は宇宙天気予報にて確認できますので、ご興味のあるかたは是非、チェックしてみて下さい。
現在の太陽
データ提供元: 宇宙天気予報
もう一度、図1の写真を見てみましょう。
NASAは「過去半世紀にわたって観測された地球の気温上昇傾向を、太陽が引き起こした可能性は極めて低い」としています。 赤い線は1880年以降の地球の表面温度変化です。
黄色い線は地球が受ける太陽のエネルギーで、1平方メートルあたりのワット(エネルギーの単位)であらわしたものです。
地球が受け取る太陽エネルギーの量は、11年周期で小さなアップダウンを繰り返しており、1950年代以降、純増はしていない。その間に地球の気温は著しく上昇しているということが分かると思います。
NASAでは、20世紀半ばから観測されている地球温暖化の原因は、人間の活動にあると表現しています。過去の気候変動に太陽は影響を与えてきましたが、現在の温暖化は太陽では説明できないとしています。
太陽の黒点運動、とても興味深いのですが、今のところ、すぐに影響が出るということはなさそうですね。
※ ただし、1988年にチェコの気象学者のV. ブッカは、「太陽活動が低下した寒冷期に偏西風が蛇行して異常気象が起きる」という考えを発表しています。
今世界中で起こっている異常気象は温暖化の影響だけではなく、太陽黒点の減少によって偏西風の蛇行減少によるものでもあるということは意識しておかなくてはならないですね。

・太陽内部の2つの電磁波が鏡写しのように相殺し「マウンダー極小期」のようになる!?

英ノーザンブリアン大学のヴァレンティナ・ジャルコヴァ教授が、太陽の内部にある磁場の変化によってミニ氷河期が訪れる可能性を発見したというものです。
2030年頃から地球はミニ氷河期に突入する――。

 英ウェールズで2015年7月9日に開かれた王立天文学会で英国の研究者が驚くべき発表をした。今後15年ほどで太陽の活動が60%も減衰するというのだ。英テレグラフ紙を含めたメディアは「ミニ氷河期に突入」というタイトルで記事を打った。
参照:地球は2030年からミニ氷河期に入るのか?
こちらは、ジャルコヴァ教授が後日、「気候変動には言及していない」と述べていることから、あくまでも、シミュレーションからの理論であり、断言することは難しいということだろうと、日経ビジネスの記事でもまとめているように電磁波が打ち消し有ったなら、という前提が起こった場合という認識にしておいた方がよさそうです。
仮に、「マウンダー極小期」が来たとしても当時と同じ規模であるならば、産業革命前の平均気温より0.5°C、どんなに大きく見積もっても1°Cくらい低い気温です。太陽だけが原因ではなく、火山の原因も入っていますので、太陽活動が弱まったとしてもその影響は1°C未満だろう、とされていますので、温暖化が進んだ場合の影響では、あまり寒冷化しないのではないか?という見解もあります。
人間が温室効果ガスを増やしてしまっていることで、氷期がこないということも起こり得ます。つまり、人間活動が自然のリズムである氷期を止めてしまうくらい地球に大きな影響を及ぼしてしまっています。これはCO2の濃度からわかりますが、産業革命前のCO2濃度は280ppmで、氷期のときは180ppmです。氷期と間氷期の差はだいたい100ppmです。これには先に述べた天文学的な原因があって、その結果濃度が変化しています。一方で産業革命前から現在まで、CO2濃度は280ppmから400ppmに増えていて、氷期-間氷期の変化を超えるくらいの変化を人間活動で起こしていることになります。人間活動の影響が天文学的な影響に匹敵するような大きさになってしまっているのです。
参照:本当に二酸化炭素濃度の増加が地球温暖化の原因なのか
地球環境研究センター 気候変動リスク評価研究室長(現副センター長) 江守正多

・氷河期への最大の影響は火山活動?

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のレポートは、大気中を浮遊する微粒子エアロゾルが直接太陽光を反射したり、遮ったりする効果や雲形成を通じて間接的に地球を寒冷化する効果を有していることを指摘している。
参照 : 熱帯または亜熱帯の火山噴火が与える影響
出典: 国土交通省 気象庁「IPCC第5次評価報告書 第11章 近未来の気候変動(2014)」
FAQ 11.2 | 火山噴火は、気候と我々の気候予報能力にどう影響するのか?, p.49
火山噴火との関連を確認するため、グラフを見てみましょう。
氷コアの硫酸塩濃度のピークは過去の火山噴火と関連している。硫酸同位体分析により、地球規模の気候影響を伴う成層圏噴火(赤)と、局所的な気候影響しか有さない対流圏噴火(青)とを区別することができる。過去2600年間に南極大陸ドームCで記録された噴火の大部分は成層圏噴火起源のものである。
引用元 : 東京工業大学 地球規模の寒冷化を引き起こす大規模噴火記録を復元
この図によると1300年代に大きな活動があることが分かります。
これはちょうど、小氷期といわれている時期、西暦1320年頃から始まりますが、その時期と一致しています。
太陽黒点では説明が難しいとされていた時期でもあります。
その次のドルトン極少期は西暦1600年〜1850年ですが、こちらも火山活動が活発になっています。
大規模火山噴火によって噴煙が成層圏まで到達する成層圏噴火は、太陽光の遮断や地球規模の気候影響を有します。
大気中を浮遊する微粒子エアロゾルが直接太陽光を反射したり、遮ったりする効果や雲形成を通じて間接的に地球を寒冷化する効果を有していることはIPCCの報告にあった通りです。
最近では「フンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ火山の大規模噴火」は高度20Km、成層圏までに達する噴煙があがりました。このような大規模な噴火が連続で発生すると、氷河期へのトリガーとなることになり得るということですね。

まとめ

今回は、私たちが温暖化対策をしなくてはいけない理由に繋がる情報としてまとめました。
地球が氷期へすすむきっかけは氷床の増加を確認する重要性が分かりました。
しかし、今、地球の北側は冬でも溶けだしているということを、以前のブログ「元マイクロソフト社長の記事「環境破壊を「甘く見る人」が2040年直面する苦難」から今を考えてみる」でも書かせて頂きましたが、氷床の下を流れる水が氷っておらず、氷床自体の動きは止まっていません。
本来の氷期の平均的な期間は約10万年です。
現在の間氷期から氷期へ移行するのに数万年かかります。
間氷期の平均的な期間は約1万-1万5千年です。
現在の間氷期は約1万1千6百年続いている状態ですので、、1万5千年まで続くとした場合、まだ数千年継続する可能性が高いですし、温暖化の影響でさらに長くなる可能性もあります。
しかし、突発的な火山の大噴火によって、氷河期へのトリガーとなることも分かりました。
    まとめの項目として、
  • 太陽の活動が低かったにも関わらず、平均気温が上がっている。しかも、最近太陽が元気になってきている。
  • 氷床は融解しており、まだ寒冷化へのシグナルは見えていない。
  • 火山の大規模な噴火は氷河期へのトリガーとなり得る。
今のところ、氷河期が間近という懸念は置いておいていいかもしれません。
もし、地球北部の氷床が発達することが確認されたら、そこから1万年かかる氷河期が始りますので、その時は長い目線戦略を地球全体で実行していくようになるでしょう。
今はまだ、寒冷化の兆候が現れていない状況ですので、温暖化対策は意味が無いとするのも怖い状況です。
寒冷化で冷えるというのを待つには時間がかかり過ぎます。また、その逆の可能性として、太陽が活発な活動になり始めていることが分かりました。
もしかしたら、今までシミュレーションしてきた結果よりも早く、温暖化の影響が大きくなっていくかもしれません。
私たちが温暖化対策をしなくてはいけない理由とは、今できる事を実行していくことなのではないでしょうか。
環境に貢献している企業を応援したり、運動に参加したりすることが大事ですし、活動に繋がる情報を率先して取りに行くことも大切です。そのためには「SBT認定」を受けている企業をチェックするなどしてみると身近な企業を発見し、温暖化防止の活動に参加できるかもしれません。
情報は環境省の資料などで確認できます。是非、チェックしてみて下さい。
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