SBT認定「FLAG」の条件を再確認しましょう

   by kabbara        
SBT認定「FLAG」の条件を再確認しましょう

SBT FLAGとは?

気候変動が深刻化する中、企業は事業活動を通じて環境問題に積極的に取り組むことが求められています。その中で注目を集めているのが、「SBT FLAG」という新たな枠組みです。これは、企業に対し、森林、土地利用、農業(FLAG)部門からの温室効果ガス(GHG)排出量削減目標の設定を促すものです。

SBT FLAGの対象となる組織としては、森林・土地・農業分野において、土地集約型の事業活動がバリューチェーンに関連する企業となります。

このため業種としては、森林・紙製品や食品・飲料品に関する製造・流通・販売企業など広範囲です。具体的には、

・林業、木材、紙・パルプ、ゴムからなる「森林・紙製品」
・「食品の農業生産」
・「食品・飲料加工」
・「食品関連の小売業」
・「タバコ」
・「外食産業」

などの各セクターが含まれます。

また上記業種以外でも当該企業のGHG総排出量の20%以上が、FLAG該当の活動から発生する企業も対象とされています。

従来のSBTは、主にエネルギー起源や工業プロセスからの排出量に焦点を当てていました。しかし、世界のGHG排出量の約24%はFLAG部門に由来しており、気候変動対策においてこの分野での排出量削減は不可欠となっています。そこでSBTiは、FLAG部門特有の課題を考慮したSBT FLAGを策定し、2022年9月に公表しました。

SBT FLAGと一般的なSBTi目標との違い

企業では、SBT FLAG領域と、それ以外の領域や集計を分けて管理する必要があります。なおFLAGに関連する排出量や除去量ですが、農業、土地利用変化、林業を含む土地管理に関連するものが含まれます。FLAG排出量が20%未満の企業で、且つ従来のSBTi目標のみを設定する場合は、従来の目標の中に包含する必要があります。なおこの場合は、森林等からの除去量は使用することはできないとされています(FLAG目標外)。

また目標達成のためのFLAG短期目標年は、申請から最短で5年間、最長で10年間の範囲とされています。FLAG対象となる企業は、基準年や年次報告の両方において、排出量と除去量は別々に計算する必要があります。

SBT FLAG取得の手続き

SBT FLAGを取得するには、以下の手順を踏む必要があります。

コミットメントレターの提出: SBTiにコミットメントレターを提出し、SBT FLAGを設定する意思を表明します。
目標設定: SBTiの基準に基づいて、FLAG部門におけるGHG排出量削減目標を設定。
目標の提出: 設定した目標をSBTiに提出。
目標の検証: SBTiによる提出された目標の検証、承認。
目標の公表: 承認された目標の公表。
進捗状況の報告: 目標達成に向けた進捗状況を定期的にSBTiに報告。

SBT FLAGを取得することは、企業にとって容易なことではありません。しかし、気候変動対策に貢献し、持続可能な社会を実現するためには、企業は積極的にSBT FLAGの取得に取り組む必要があります。

SBT FLAGに当てはまるのか?FLAGに当てはまるのかだけでも知りたい、など疑問をお持ちの方はぜひ一度お問い合わせください。

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