本日は、SBT(Science Based Targets)取得を目指す上で必ず理解しておきたい重要キーワードを解説していきます。SBT取得は、環境問題への取り組みを強化し、企業の持続的な成長を促すための重要な一歩です。しかし、専門用語が多く、理解に苦しむ方もいるのではないでしょうか?そこで今回は、SBTに関する重要キーワードを分かりやすく解説することで、皆さんのSBT理解を深め、取得への道のりをサポートさせていただきます!
1)SBT(Science Based Targets)
企業が設定する温室効果ガス排出削減目標のことです。地球温暖化を防ぐために、科学的な根拠に基づいて設定されるのがSBTの特徴です。パリ協定の目標達成に貢献するために、世界中の多くの企業がSBTに積極的に取り組んでいます。
2)パリ協定
2015年に採択された、地球温暖化防止のための国際的な協定です。世界の平均気温上昇を、産業革命前に比べて2℃より十分低く保つことを目標としています。さらに、1.5℃に抑える努力をすることも目標に掲げられています。
3)SBTi(Science Based Targets initiative)
SBTの基準を策定し、企業の目標を承認する国際機関です。CDP、UNGC、WRI、WWFの4つの団体が共同で設立しました。SBTの信頼性を担保し、世界共通の基準で評価するために重要な役割を担っています。
4)温室効果ガス
地球温暖化の原因となるガスの総称です。二酸化炭素(CO2)の他に、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)など、様々な種類があります。人間の活動によって排出される量が増加し、地球温暖化を加速させている要因の一つとされています。
5)スコープ1
企業が、事業活動の中で直接排出する温室効果ガスのことを指します。例えば、工場の燃料燃焼や、社用車のガソリン使用による排出などが含まれます。企業が、自らの活動を見直し、排出量を削減するための取り組みが重要です。
6)スコープ2
企業が、電力や熱の使用によって間接的に排出する温室効果ガスのことを指します。電力会社が発電する際に排出される温室効果ガスが、ここに含まれます。再生可能エネルギーの利用など、電力会社選びも重要な要素となってきます。
7)スコープ3
企業の事業活動に関連する、サプライチェーン全体からの間接的な温室効果ガスの排出です。原材料の調達から、製品の輸送、使用、廃棄に至るまでの排出が含まれます。 サプライヤーとの連携など、広範囲での協力が求められます。
8)脱炭素社会
温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする社会のことです。地球温暖化を防ぎ、持続可能な社会を実現するための目標です。世界各国で、脱炭素社会に向けた取り組みが推進されています。
9)カーボンニュートラル
温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを指します。植林や森林保全など、CO2を吸収する活動も重要になります。企業だけでなく、国や自治体レベルでも目標設定が進められています。
10)ネットゼロ
温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを指します。排出量を削減するだけでなく、排出されたCO2を回収・貯留する技術も注目されています。2050年までにネットゼロを達成することを目標に掲げている国が増えています。
11)再生可能エネルギー
太陽光、風力、水力、地熱など、枯渇しないエネルギー源のことです。温室効果ガスを排出しないため、脱炭素社会実現の鍵となります。世界的に導入が進んでおり、技術革新も続いています。
12)ESG
環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の略称です。企業の持続可能性を評価する際の、重要な3つの要素です。ESGに優れた企業は、長期的な成長が見込めるとして、投資家からの注目度も高まっています。
13)SDGs
2015年に国連で採択された、「持続可能な開発目標」のことです。貧困や飢餓、教育、環境問題など、17の目標と169のターゲットからなります。SBTは、SDGsの目標達成にも貢献する取り組みです。
14)CDP
企業や都市の環境情報開示を促進する国際的な非営利団体です。企業に対し、気候変動に関する情報開示を要請し、その情報を投資家などに提供しています。企業の環境への取り組みを可視化し、より良い行動を促す役割を担っています。
15)RE100
事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標とした国際イニシアチブです。世界中の多くの企業が加盟し、再生可能エネルギーの利用を促進しています。企業が積極的に再生可能エネルギーを導入することで、脱炭素化を加速させる効果が期待できます。
16)TCFD
気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)の略称です。企業に対し、気候変動がビジネスに与える影響やリスク、機会などを、財務情報と合わせて開示することを推奨しています。気候変動関連のリスクと機会を適切に評価し、情報開示することで、企業の持続的な成長を促すことを目的としています。
17)GHGプロトコル
温室効果ガスの排出量算定と報告のための、国際的な基準です。企業が、自社の排出量を正確に把握し、報告するための枠組みを提供しています。世界共通の基準を用いることで、排出量データの信頼性を高め、比較を可能にしています。
18)カーボンプライシング
CO2の排出に価格をつけることで、排出削減を促す仕組みです。炭素税や排出量取引など、様々な制度があります。企業にとって、CO2排出量を削減する経済的なインセンティブとなります。
19)グリーンウォッシュ
環境に配慮しているように見せかけて、実際にはそうではない企業の行為のことです。消費者を欺く行為であり、企業の信頼を失墜させる可能性もあります。SBTを取得することで、グリーンウォッシュではない、真の環境への取り組みを証明することができます。
20)気候変動
地球の平均気温が上昇し、気候が変化することです。人間の活動による温室効果ガスの排出が、主な原因と考えられています。気候変動は、異常気象や海面上昇など、様々な影響を及ぼします。
まとめ
今回は、SBTに関する重要キーワードを解説しました。これらの用語を理解することで、SBT取得に向けた取り組みをスムーズに進めることができるでしょう。SBT取得は、企業の持続的な成長を促すための重要な一歩です。ぜひ、本記事を参考に、SBT取得を目指しましょう!
SBT認定取得に関して、くわしく知りたい方はこちら