私事ですが、先日石垣島に行ってまいりました。
この写真は、ウミガメさんとのんびり一緒に泳いだ時の1枚です。石垣島に行くと、やはり時間がゆっくりと流れている感じがしますね。「ウチナータイム(沖縄時間)」なんて言葉もあるくらいですからね。たまに行く旅行はリフレッシュ出来て良いものです!みなさんも是非、たまには自分をリフレッシュさせてあげてください。
今回の記事では、そんな石垣島のサステナブルな取り組みをご紹介させていただきます。
現在、海洋汚染や気候変動の影響による海面上昇、海水の温度・酸性度の上昇により、 今後10年間で世界の9割のサンゴ礁が死滅すると予測され、そのスピードは年々高まっています。石垣島周辺に広がる石西礁湖ではすでに90%のサンゴが死滅したと報告されました。世界規模での水温上昇と地域の環境汚染のダブルパンチで苦難に直面するサンゴの回復力を高めるために、ローカルの影響を軽減することがいっそう大切になっています。
海の生物の消失
世界中で海に異変が起きています。日本では、過去100年の間に0.7℃〜1.7°Cの水温が上昇しています。海は大気の二酸化炭素の濃度を調節するため、海はその約3割を吸収しています。ところが人間活動から排出されている二酸化炭素は、海洋が吸収する限界を超えてきており、二酸化炭素の増大で海は酸性化が進んでいます。海は熱も吸収しています。海洋自身の温暖化です。二酸化炭素は水に溶けると酸性となり、生物の殻や骨格になっている炭酸カルシウムの生成を妨害しています。
海水に溶けたCO2は炭酸水素イオン(HCO3-)や炭酸イオン(CO32-)のようなイオンになり、大半が炭酸水素イオンとして存在しています。CO2濃度が増えると、イオンが海水に溶けきれなくなって過飽和の状況となり、固体の炭酸カルシウム(CaCO3)を形成しやすい状態にします。二酸化炭素は海水中の炭化カルシウム(CaC2)を分解させるとともに、酸素を吸収して炭酸を生成し、酸素欠乏でプランクトンが生きられなくなります。海水中の酸素欠乏状態が広範囲に拡大し、海洋環境を一変させ、生物の大量絶滅につながります。
サンゴ礁の大切さ
サンゴ礁には藻類などの小さな生物がたくさん棲み、それらを餌とする魚やエビなどが集まり、漁場としても観光資源としても貴重な場所になっています。しかし、サンゴ礁(造礁サンゴ)は沿岸の浅い海に位置するため、農地開発や産業活動による海洋汚染などの影響も受けやすいとされています。また、地球温暖化では水温上昇のほか、海水中の二酸化炭素濃度が高くなることによる海水の酸性化もサンゴの生育を阻害すると言われています。サンゴが死んでしまうとそこに棲む生物がすみかを失い、さらには、それらを餌とする魚やエビなどもいなくなってしまうため、生物多様性から見ても重大な問題です。
サンゴ礁に影響を与える生活と産業
石垣島ではどの産業がどれくらい海に影響しているのか?
この問いに対する調査結果が2018年に発表されました。この結果、畜産、農業、下水がトップ3の汚染源ということがわかり、特に、サトウキビ、肉牛繁殖、単独浄化槽がその多くを占めていたという結果が出ています。
畜産、農業、下水の不適切な管理と規制のゆるさが、石垣島のサンゴ礁保全に重要な水質へ影響を与えています。
2018年の石垣島での調査から、石垣島周辺の水質が窒素量流入においてサトウキビ畑(33.7%)に代表される農業から47.6%、肉用牛繁殖(26.2%)に代表される畜産から31.2%、単独浄化槽(7.8%)に代表される生活・農業排水(観光施設含む)から20.7%がサンゴ礁海域の富栄養化に影響していることがわかりました。
また、これを全りんの推定発生量で見た場合、肉用牛(繁殖)(59.2%)に代表される畜産が72.2%、単独浄化槽(8.4%)などの排水が21.9%、農業が5.8%寄与すると推定されています。
サンゴを守るために出来ること~ How You Can Help ~
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◆ 陸上から海への汚染を減らす
- 化学肥料や殺虫剤、農薬、洗剤の使用を減らす。
- ペットや家畜の糞の後始末をきちんとする。
- 汚れを川などに直接流さないで、土壌やビオトープで自然浄化させる*。
- 生ゴミ、野菜の皮をコンポストに。
- ペンキや油類、古い電池やエンジン、化学薬品を側溝や屋外に捨てない。
- ブレーキオイル、グリース、船舶塗装などを外や海に流さない。
- 下水道接続ができる地域では接続し、無い地域では合併浄化槽を設置して定期的メンテナンスと2-3年ごとの堆積物除去を欠かさず行う。
- 紫外性吸収剤を含まない(海の生物に害を与えない)日焼け止めを使う。
- 使い捨てプラスチックの使用を減らしたり、ビーチクリーンへ参加する。
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◆ 気候変動を助長しない。(水温上昇や海洋酸性化を防ぐ)
- 気候変動ガス排出の少ない移動手段(車より自転車で)を選ぶ。
- 買い物で産地や原料、作られ方が信頼でき、環境負荷の少ないものを選択する。
- 地産地消でカーボンフットプリント(二酸化炭素排出量)の少ない商品を選ぶ。
- 産業や政治家に意見を届け、選挙に行く。
- 植物中心のフードロスの少ない食生活を心掛ける。
- 石油など化石燃料の使用を避け、再生可能・または効率のよいエネルギー源を選択する。
『 サステナブルアイランド石垣 』
Sustainable Island ISHIGAKI は、2021年4月22日、Earth dayに誕生したコミュニティであり、石垣島に住み、美しい自然もその裏にある様々な環境問題も目の当たりにしている今自分達にできることは何かを人任せにするのではなく、みんなで学び理解することで自然に自然を守れるような、そんな協働のプラットフォームにしたいとこのコミュニティを立ち上げられました。
2020から2040年に向かって今しなければならないことを見つめ、持続可能な石垣島のために環境保全のビジョンを作っています。そのために、身近にある深刻な島の環境問題をわかりやすく市民や観光客に知ってもらい、みんなで問題解決につなげるためのプラットフォーム作り、情報発信、政策提言、協働の提案をしています。
サステナブルな取り組みを行う島の産業
資源を持続的に利用するために、山から海へつながる水質を守る大切さに気づき、地道に自主的に環境負荷を抑える取り組みをしている生産者も石垣島にはたくさんいます。
この価値のある取り組みや生産物は、陸で行うサンゴ礁保全そのもので、この方たちは、地球と地域のことを考えサステナブルな島を作っていくロールモデルです。
自分の住む大切な環境を守りながら美味しい野菜や魚、お肉を生産することで本人も次世代へ続く仕事をしている誇りを感じ、一緒に働く人や消費者にも希望をもたらすので、まさにwin-winの関係です。
この価値のある取り組みや生産物は、陸で行うサンゴ礁保全そのもので、この方たちは、地球と地域のことを考えサステナブルな島を作っていくロールモデルです。
自分の住む大切な環境を守りながら美味しい野菜や魚、お肉を生産することで本人も次世代へ続く仕事をしている誇りを感じ、一緒に働く人や消費者にも希望をもたらすので、まさにwin-winの関係です。
取り組みの1つをご紹介させていただきます。
石垣島の宮良牧中地区の高台で、自然菜園 土楽(どうらく)という名前で野菜やフルーツを育てている下地宏之さん。とても見晴らしのいいこの畑で、島らっきょうや大豆、水菜、小松菜、パイナップル、紅芋、里芋、サトウキビなど、季節に合わせてさまざまな作物を自然栽培している。
元々はキビ畑であった土地も表土が流れてしまっており、土を入れ直すところからスタートしたのだという。現在は農薬や化学肥料、除草剤は使用せず、土づくりには畑の雑草や作物の茎や葉、そして米ぬかなどを使用し、土の中の多様性を探っている。
上記写真、下地さんの後ろに伸びる細長い葉のベチベル(ベチバー)という植物は、赤土流出を防ぐためのグリーンベルトといい、月桃よりも根が広く張ることから、近年島で重宝されています。成長の早い葉は、土の水分を保つ敷き草として使用しているそうです。
下地さんは、農業を始めた当初はこの畑で稼いでやろうと意気込んでいたが、教えてもらった通りに肥料をやっても、土づくりがうまくいかなかったり、野菜が育たなかったりと葛藤の日々が続いた。そうして、画一的でなく、その土地や風土に合ううまいやり方があるのではと考えるようになった。
そんな時にふと思い出したのは自身のおばあちゃんの畑だった。おばあちゃんは、自宅のまわりで自分たちが食べるさまざまな種類の野菜を育てていた。子どもの頃から見ていて、そこまで手をかけていないけれど野菜は元気にできていて、「もしかしたら、シンプルな昔ながらのやり方がいいのでは」と思った。
それからは、機械やデータばかりに頼らず、自分の手でやってみるからこそ気づくことがあったり、発見が多くなったり。ガソリンなど限りある資源ではなく、太陽や雨などの自然のエネルギーを活かせばいい。そして、季節や月のサイクルに合わせ、微生物の働きを大切にしたり、自然に寄り添っていくことでだんだんと手間も費用もかからなくなった。
そうして、『お金をかけないやり方』で農園を営むことがベストだというところにたどり着いたのです。
我々Kabbaraでも不耕起栽培と無農薬栽培の方法によってどれだけ温室効果ガスを吸収できるか?などの研究と実証を進めています。「不耕起栽培は世界を救うか」の記事でも紹介させていただいている通り、不耕起栽培が当たり前という基準になることでもしかしたら救うことができるかもしれません。
また、「カーボンオフセット価格、2029年までに3000%上昇の可能性も」こちらの記事でも最後に触れている、八百結び農法による土壌再生が世界に広がっていくことで、土壌のポテンシャルを高め、地球を、人類を救う事に直結すると我々は信じています。
一緒に活動したい!もっと情報を知りたい!という仲間も随時募集中です!
まだまだ、これから研究開発が必要な部分も多いですが、DeFi、メタバース、NFT、web3、地球環境再生、土壌改良、温室効果ガス吸収、不耕起栽培、小規模農家改革、カーボンクレジット創出活動などに少しでも興味を持たれましたら、これら実現のためみなさまの活動へのご参加、お待ちしています。
また、ご質問やご意見随時承っております。
下記の【お問い合わせ】よりお願い致します。
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