アートは人類を絶滅から救うか

   by Akihiko Sato        
アートは人類を絶滅から救うか
「さよなら規制」デンマークはコロナ規制をすべて撤廃しました。コロナパスの提示義務なども必要ないとのこと。フランスでもマスク解除を発表するなど規制を撤廃する動きが出てきましたね。WHOペドロス事務局長も時期尚早との声明も出すなど、オミクロン株も感染拡大のピークの中にある中の発表は賛否が分かれています。
デンマークで唯一残るコロナ規制として、国外からの渡航者がワクチンを接種していない場合などは引き続き入国時の検査を義務付け、高リスク国からの入国者には隔離措置を講じるとのこと。
予防と治療の両立の目処が立ってきたということでしょうか?
コロナ禍では感染リスク、感染そのものの不安、恐怖という心理的ストレス、隔離や行動制限、経済的打撃から生じるうつ病や自殺の増加、暴力。虐待、学業の遅れや、高齢者の認知機能の衰え、ネット依存、楽観的・悲観的な情報の不審と混乱、誹謗中傷、無力感、スティグマと偏見、対人関係の変化、社会への不信、不安は人に様々な葛藤、禍根、心理的影響を長期に残すと言われています。※COVID-19パンデミックがもたらす心理的影響
心理的問題に対してのサポートも十分とはいえません。
いつも規制の順番は人が集まるところから。
もちろん、有効であり間違いないことなのですが、文化が被る被害は甚大になることは避けられないでしょう。
また、まれに芸術活動自体、不要不急というキーワードから「娯楽」と捉えられたり、必要がないという声も聞こえてくるなか、ドイツ文化相は「アーティストは生きる上で不可欠である」と表明し即時支援を約束し安心感を与え、フランスでも演劇や映画関係で働くフリーランスの失業手当の受給期間の延長などで文化・芸術を守ろうとしています。
こんなときに、思い出す言葉があります。
※出典 桜月流美劔道
以前、失われゆく日本のツルギの精神を復興し、そこに芸術性の息吹を加えて進化するツルギの可能性に挑戦する日本で唯一の剱舞の流派「桜月流美剱道」の師範松木史雄先生との打ち合わせの時に戴いた言葉です。
佐藤さん、地球って英語でアースっていうじゃないですか。
アースの最初はE
これはエデンの園、神によってつくられた最初の人間、アダムとイブの楽園、つまり人の始まりであり善悪や死という概念の生まれた場所です。
アースの最後はH
HEAVENを意味します。
HEAVENは天国であり、理想の世界。転じてそこで暮らす者にとって、理想的な世界のこと。何にわずらわされることもない、快適な環境。もしくは、かくあるべきだとする究極の神の創造理想と定義できる世界。
佐藤さん、EとHの間には何が残っていますか?
「ART」!
人が生まれて、天国(理想の世界)へいくために必要なことが、EとHの間「ART」芸術なんです。
これを聞いたとき、体が宇宙と繋がったかの如く電流がながれました。
(そのとき私がエンターテイメントの世界にいたということでもあったからと思いますが)
松木師範!結構使わせて頂いております!ありがとうございます!

アートは人類を絶滅から救うか

「芸術を見て感動したり感銘を受けるということは、受けたその人が凄いということ」
と、東京芸大の日比野克彦学部長の言葉ですが、発信し受信するという行為の交換が人を豊かにしていくのではないでしょうか。
発信する芸術家と受信する鑑賞者におこった衝撃までがART、芸術であり、受け継がれていく様が文化なのではないか?と感じています。
ここで、オーク・プロジェクトをご紹介します。
オークプロジェクトは、気候の非常事態と環境危機に対応し、文化的瞬間の力を利用して自然との親和性を生み出すことを目的とした、先駆的なアートプログラムで、チャーリー・バレル、ジェイミー・ケイザー=コルビン、トム・スチュアート=スミス、エドウィナ・サスーン、ヘレン・ミーチによって設立され、ダービー大学およびヨークシャー彫刻公園と共同で展開されています。
このプロジェクトは2021年に開始され、自然界との関係を探求し、芸術、文化、創造性を通じて自然とのつながりを構築する3つの主要プロジェクトを中心にプログラムが組まれています。
そしてこのプロジェクトより、コロナ禍では人の集まりを徹底的に規制され封じ込められていますが、人類が共有し、育んできた文化・芸術・共感の力が幸福感の向上に繋がるという研究が発表されました。
新しい報告書「How art could save us from extinction」では、プロジェクトの初年度の評価として、芸術を通じた自然体験が、自然とのつながりや個人の幸福感を著しく高め、より多くの環境保護活動につながっていることを実証しています。
ヘザー・ピークとアイヴァン・モリソンがヨークシャー彫刻公園の景観の中に設置したサイトスペシフィックな彫刻空間「Silence-Alone in a World of Wounds(傷だらけの世界の孤独)」。 チェルシー・フラワー・ショーのシャーロット・スミスソンによるインスタレーション「Great Oaks from little Acorns grow…(小さなドングリから大きなオークが育つ)」。 Tune into Nature Music Prizeは、16歳から29歳までのミュージシャンおよびシンガーソングライターを対象とし、現代のポピュラー音楽を通じて自然とのより強い関係を育み、祝福する作品を募集するコンテストです。 ダービー大学自然とのつながり研究グループのカーリー・バトラー博士とマイルス・リチャードソン教授は、「Silence and Great Oaks from little Acorns grow…」の影響を評価するプロジェクトを主導しました。この評価で明らかになったことは
  • サイレンスを訪れると、自然とのつながりが有意に増加する
  • サイレンスを訪れると、ウェルビーイングが大幅に向上する
回答者の半数以上が、サイレンスを訪れたことで自然のためにもっと努力したいと思うようになった、または強くそう思うようになった。 70%以上の回答者が、グレートオークスによって自然との結びつきを感じ、もっと何かしたいと思うようになったと回答しています。
プロジェクト・ディレクターのヘレン・ミーチは、「私たちの初年度のプログラムは、創造的に自然とのつながりを深めることが、人にも地球にも良いという概念を証明するものとなりました」
と述べています。私たちは、芸術が環境保護活動を推進し、気候変動と自然の緊急事態に立ち向かうために緊急に必要な文化的変化を生み出す力を持つことを示しました。私は、この仕事を拡大し、オークプロジェクトを、自然のための行動とインパクトを推進するために協力する文化的・環境的パートナーのムーブメントに成長させることを楽しみにしています。
アートは、その美しさを表現したり、その詳細を捉えたり、体験や関わりを提供したり、意味やメッセージを伝えたり、感情的な反応を誘ったりすることで、自然とのつながりを深めることができるユニークな存在です」
と、プログラムディレクターでYSP次期ディレクターのクレア・リリー氏は言います。アート作品は、人々を引きつけ、注意を引きつけ、新しい視点を提示し、新しい気づき、感情、感覚を生み出すプロセスを促します。アート作品が、自然とのつながりの経路を活性化するように特別にデザインされている場合、自然との新しい関係を強力に促進する可能性があります」。
ダービー大学のマイルス・リチャードソン教授(自然とのつながり論)は、「野生動物の損失と気候危機は、私たちと自然との関係が破綻していることを示している」と述べています。私たちの研究は、芸術をベースとした、感覚的で意味のある感情を伴う活動が、自然との密接なつながりを構築する上で力を発揮することを示しています。自然との結びつきが強まれば、人々は環境保護のために行動を起こす可能性が高くなります。環境保護のための行動とは、リサイクルや野草の植え付けから、署名活動や自然保護ボランティアに至るまで、あらゆるものが含まれます。自然とのつながりは、より持続可能なライフスタイルや自然との新しい関係を築くための鍵なのです。
芸術に触れることでウェルビーイングが向上する。
「well-being(ウェルビーイング)」とは、直訳すると「幸福」「健康」という意味があります。ウェルビーイングの定義においてよく引用されるのが、世界保健機関(WHO)憲章の前文の一節です。
“Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会仮訳)“
つまりウェルビーイングとは、幸福で肉体的、精神的、社会的すべてにおいて満たされた状態をいいます。
芸術を通して自然を密接に感じるという感覚が人の幸福感を向上させるとするという情報にはとても勇気づけられます。
well-being(ウェルビーイング)とは? ※出典パソナLSネットワークス
日本の自然や風景もほとんどは人の手が入っており、壮大な芸術作品なのかもしれません。
電車からの風景はずっとみていても飽きないですし、なんだかほっとするのは私だけではないと思います。
日本に来日した外国人が初めてきたのにも関わらずなんだか懐かしさを感じるという現象は、日本という作品を感じて反応したという事なのかもしれませんね。
あらためて、自然と人の関わりを深さを感じたと同時に、その基盤である大地の可能性も再認識できました。
アートは人類を絶滅から救うか
もちろん、救う!ことを活動を通して実証出来るように努力していきます。
ドキュメンタリー映画「腐植土 地球を救う忘れられたチャンス」
2gの土には地球上の人間の数よりも多くの微生物が生きていると言われています。炭素を固定し貯蔵する腐植を含む土は温暖化を止める役割を果たすことが出来ると伝えています。
そのためにはまず、人が手を加えた結果、治癒力が落ちてしまっている土壌の回復と再生は基本であり必須ではないでしょうか。
土壌の回復は、土壌の微生物の増加、炭素貯留増加、植物、動物への良い影響、食料危機対策、温暖化対策、気候変動へのアプローチなど、良い連鎖の循環が目の前まで来ています。
一緒に活動したい!という仲間も随時募集中です!
まだまだ、これから研究開発が必要な部分も多いですが、DeFi、メタバース、NFT、web3、地球環境再生、土壌改良、温室効果ガス吸収、不耕起栽培、小規模農家改革、カーボンクレジット創出活動などに少しでも興味を持たれましたら、これら実現のためみなさまの活動へのご参加、お待ちしています。
また、ご質問やご意見随時承っております。
下記の【お問い合わせ】よりお願い致します。

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