日本から気候変動ストップへ!国内の気候テック企業3選

   by Takumi Hisamatsu        
日本から気候変動ストップへ!国内の気候テック企業3選
以前、「気候テックがアツい!未来のGAFAは気候テックから」という記事の中で、気候変動問題へ対処する技術やビジネスを意味する「気候テック(Climate Tech)」業界が急成長しているという話をさせていただきました。
先日公開した記事、「力強く成長し続ける気候テックの現状」の中でも書いていますが、気候テックへの投資増加率は210%、1案件当たりの平均投資額は約4倍に増加など、まさに力強く成長を続けている業界となっています。
以前の記事では気候テック企業を4つご紹介させていただきました。その中で日本国内の事例として紹介した「アスエネ株式会社」さんが、日本の「クライメートテック(Climate Tech)カオスマップ 2022」を公開してくださったので、それをベースに日本で成長を続ける気候テックをご紹介させていただきます。
※カオスマップとは
カオスマップとは、特定の業界に絞ってサービスや商品を提供する事業者を集めて、カテゴライズした「業界地図」のことです。

クライメートテック(Climate Tech)カオスマップ 2022

CO2排出量見える化・削減クラウドサービス「アスゼロ」を運営するアスエネ株式会社が、今年の6月に公開したクライメートテックカオスマップがこちらです。
クライメートテック(Climate Tech)カオスマップ 2022
出典:脱炭素のワンストップソリューションを提供するアスエネが「クライメートテック(Climate Tech)カオスマップ 2022」を公開(PR Times)より
日本の気候テックを、「メディア」「CO2見える化・算定」「次世代燃料+核融合」「再エネ電力」「太陽光」「蓄電池」「需要予測」「EVシェア」「EV充電」の9つにカテゴライズしています。
今回は、世界全体の総排出量の約4分の3を占めるエネルギー分野に絞り、「次世代燃料+核融合」「再エネ電力」「蓄電池」の3カテゴリからそれぞれ1つずつ気候テック企業を紹介します。

ユーグレナ社のバイオ燃料「サステオ」

ミドリムシで世界を救う」でおなじみの株式会社ユーグレナ。
藻類の一種であるミドリムシ(学名:ユーグレナ)を中心とした微細藻類に関する研究開発、生産管理・品質管理、関連商品の製造・販売などを行っているユーグレナ社。ヘルスケア、ビューティーケアといった事業がありますが、その1つに「エネルギー・環境事業」があります。
その事業を通し、ユーグレナ社が作っているのが、バイオ燃料の「サステオ」。サステナブルな燃料という意味のサステオは、使用済みの食用油と微細藻類ユーグレナから抽出されたユーグレナ油脂を原料に作られています。
クライメートテック(Climate Tech)カオスマップ 2022
出典:株式会社ユーグレナHP ユーグレナ社のバイオ燃料『サステオ』より
生産されたバイオ燃料は国際規格を取得しており、2020年にバイオディーゼル燃料としてバスや船舶といった陸・海のモビリティに、2021年にはバイオジェット燃料として車両・船舶・航空機の燃料として活用されています。

再エネで世界を救う「Looop電気」

「再エネで世界を救う」をキャッチコピーとして再エネ事業を展開するLooop電気。始まりは、東日本大震災の被災地に太陽光発電を設置するボランティア活動です。
その時の経験から、お客様が自身で設置できる太陽光発電所を開発し、エネルギービジネス業界で注目を集め、日本の再生可能エネルギーの普及に貢献したい、自然エネルギーをもっと身近に感じてもらいたいという想いから、電力小売事業「Looopでんき」をスタートしています。
営農型太陽光発電「自分で作れるMY発電所キット旧中型」や、「MY発電所キット小型風力型」などの販売も行い、太陽光・風力発電といった自然エネルギーを身近に感じられるサービスを展開。
2021年にはLooop電気契約者数が30万件を超え、順調に契約者が増えています。
環境にやさしいエネルギー = 電気代が高いという印象がありますが、Looop電気は大手電力会社よりも安いプランがあり、2021年8月に実施した「新電力会社についてのアンケート」において、「節約に期待できる新電力会社」「わかりやすい料金プランの新電力会社」「安心・信頼できる新電力会社」「おすすめしたい新電力会社」で第1位を取得しています。
これまでの記事でも何度か書いている、環境に良いことは抜きにしてシンプルに便利だから利用する、「気がつけば社会貢献」の事例の1つですね。
実質、再生可能エネルギー100%、CO2排出量ゼロの電気を提供する「eneco」
出典:Looop電気HP内「eneco」より

かしこく充電・かしこく売電「京セラの蓄電池」

最後は、京セラの蓄電池です。この蓄電池もさきほどのLooop電気同様、環境への貢献はもちろんのこと、それとは別にユーザー自身に多くのメリットが受けられるよう製品設計されています。
京セラの蓄電池は、太陽光発電で電気を生産し蓄電池に保存。必要なときに使用することで無駄にすることなく、環境への負荷を抑えることができます。
また、太陽光からだけではなく、電力会社から購入した電気も蓄えることができるため、太陽光で発電した電気を自分で使い電力会社からの購入を抑えるという使い方はもちろん、電気料金が割安な夜間電力を購入・利用し、太陽光発電で生み出した電気は売電するといった、自分に合った電気の使い方が可能です。
日中は太陽光発電で電気を蓄え、電気料金が割安な夜間のみ電気会社から電気を購入することで、割高な時間帯での電気購入を抑えられ、電気代節約に繋がります。
ただ電気を蓄えられるだけじゃなく、
  • 電気代の節約
  • 余ったら売ることもできる
  • 停電時も安心
といったユーザー自身へのメリットが複数あります。
「電気代を抑えられるから」という理由で使用した結果、環境にも良いことができている、というこれも”気がつけば”の良い事例です。

以上、3つの国内の気候テック企業をご紹介しました。この事例からも分かるとおり、気候変動対策を企業が推進するためには、環境のみならず「人(ユーザー)」にいかに価値を提供できるか?が重要だということが分かりますね。
使えば使うほど、地球にも、人にも良い影響が広がっていく。そんな商品やサービスを世の中に提供することが、気候変動をストップするために企業に与えられた大きな役割だと思いますので、私達Kabbaraもその役割を果たせるよう日々取り組んでまいります。
一緒に活動したい!もっと情報を知りたい!という仲間も随時募集中です!
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