GXリーグ シンポジウム 2023 発表された内容を公開

   by Yu Numakura        
GXリーグ シンポジウム 2023 発表された内容を公開

先日4月15日、2023年に入って初となるGXリーグのシンポジウムが経済産業省主催で開催されました。GXリーグ賛同企業として、Kabbara合同会社も出席してきましたので、発表内容など共有させていただきます。(※まだ一般公表されていない内容もあり抽象的かつ全体像としての共有となります。ご了承ください。)

GXリーグとは・・・
2050年カーボンニュートラルや、2030年の国としての温室効果ガス排出削減目標の達成に向けた取組を経済の成長の機会と捉え、排出削減と産業競争力の向上の実現に向けて、経済社会システム全体の変革がGXです。GXヘの挑戦を行い、現在および未来社会における持続的な成長実現を目指す企業が同様の取組を行う企業群を官・学と共に協働する場が、GXリーグです。

GXリーグ シンポジウム2023

西村経済産業大臣が出席され、日本製鉄株式会社、ENEOS株式会社、ダイキン工業株式会社の経営者と経済産業省による「GXへのリーダーシップ」をテーマとしたパネルディスカッション等が約4時間にわたって行われました。
また、国外からは、ドミニク・ウォーレイ氏(WBCSD Vice President)やリヴェット=カルナック氏(元国連気候変動枠組条約)のオンライン基調講演が行われました。(※シンポジウム会場内撮影不可につき会場の様子を共有できずに残念です。)

今回のシンポジウムでは、日本国内のカーボンニュートラルへ向けた取り組みの中でも、産業構造・社会構造をクリーンエネルギー中心へと転換させ、カーボンプライシングや、国内の技術力でGXを底上げしていくという内容がメインテーマでした。

主に、成長志向型カーボンプライシングの中でも、排出権取引や炭素賦課金の段階的な導入への計画やCO2排出量の少ない製品への付加価値に対する商品そのものの考え方など、これから具体的なアクションに繋がっていくテーマについてディスカッションされました。

また、GXリーグ賛同企業により排出量取引の試行開始についても発表があり、2023年4月からGXリーグ内の排出量取引市場に参加できるようになるプランも進行中で、恐らくこの辺りのテーマに関しては、金融としての関係も出てくるので、GX促進法つまり法規制の制定と絡み合いながら進んでいくのではないかと思います。GX経済移行債の発行、GX推進機構の設立、成長志向型カーボンプライシング(炭素税、排出量取引制度)このキーワードはいずれも、国内カーボンニュートラル化に向けてとても重要なキーワードとなります。

削減貢献の価値付けが今後の課題?

今回のシンポジウムで私個人的にとても印象に残ったテーマは、自社のCO2直接排出量削減努力をやり尽くした後のお話。一般的に、企業がCO2排出量を削減するためにできる努力は、直接排出つまりScope1、Scope2に当てはまるような燃料・電気の利用制限、他の選択肢へ切り替え、などが挙げられます。

Scope1への対策をし尽くした先には、Scope3にあるような必ずしも直接的な企業努力だけでは排出量をコントロールできない分野もあり、さらには、業種によって排出量の90%以上がScope3という企業も多く存在しています。

このように、直接排出量から全体の排出量削減を実行しづらい企業の場合、カーボンニュートラルへの貢献という評価で測りきれない場合も出てくるでしょう。しかしScope3の一部分だけに焦点を当てた削減技術などに力を入れ、それがしっかりと貢献度として評価できる仕組みができると、業界問わず全企業でカーボンニュートラルの達成に向かっていけるのではないでしょうか。

また、個人的には『同じメーカー・同じ製品・同じ機能でも、炭素排出量性能で全く違う製品』という認識を生める市場形成や考え方、もしくは商品ブランディングのあり方が今後大切になってくるとも想像しています。

いずれにしても、もう2023年。2030年、2050年の目標年は遠いようですぐそこです。できる限りの企業がGXリーグへ参加し、試験や議論に参加し国内のカーボンニュートラルの底上げをしていく必要があると思います。ぜひこの記事を読み、GXリーグに賛同企業として参加されたい場合は、下記GXリーグ準備室サイトよりぜひご申請を。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

GXリーグ設立準備室

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