オリンピック:大会のカーボンフットプリントを50%に

   by kabbara        
オリンピック:大会のカーボンフットプリントを50%に
(出典:Olympic)

いつもお読みいただきありがとうございます。現在開催中のパリオリンピック・パラリンピックは、単なるスポーツの祭典ではなく、大会史上初となる「カーボンニュートラル」を目標に掲げ、環境問題への取り組みを大きく前進させる大会として注目されています。

パリオリンピックの挑戦:カーボンニュートラルで目指す未来のスポーツ大会

パリ2024のゴールは、これまでの大会と比較してカーボンフットプリント(大会に関連して排出される二酸化炭素などの温室効果ガス量)を50%にするという目標設定をしています。直接的なものだけでなく、大会に関連する全ての二酸化炭素排出源を対象に、大会による直接的な気候への影響を低減することはもちろん、気候変動に貢献するプロジェクトを積極的に支援することを通じて、大会で排出される二酸化炭素以上の量を相殺し、積極的に気候変動問題に取り組むことをプロジェクトとして掲げています。

パリオリンピックの具体的な取り組み

パリオリンピックは、以下の具体的な施策を通じてカーボンニュートラルの実現を目指しています。

1)排出量の削減

既存施設の活用: 新設会場は全体の12%に留め、95%は既存または仮設の施設を活用。これにより、建設によるCO2排出量を大幅に削減。

再生可能エネルギーの活用: 電力は100%再生可能エネルギーで賄い、会場の照明や空調も効率化。

低炭素な輸送: 大会関係者の移動は公共交通機関の利用を推奨し、観客には徒歩や自転車での来場を呼びかけ。

持続可能なケータリング: 地産地消を推進し、食品廃棄物の削減にも取り組む。

2)残留排出量のオフセット

森林再生プロジェクトへの投資: フランス国内外の森林再生プロジェクトに投資し、CO2吸収量を増やす。

再生可能エネルギー発電プロジェクトへの支援: 太陽光や風力発電などの再生可能エネルギー発電プロジェクトを支援し、CO2排出量削減に貢献。

3)サプライチェーン全体での取り組み

調達基準の厳格化: 大会で使用される製品やサービスの調達基準にCO2排出量削減目標を設定。

パートナー企業との連携: パートナー企業と共にサプライチェーン全体の排出量削減に取り組む。

これまでの大会との違い

過去のオリンピックと比較すると、パリオリンピックのカーボンニュートラルへの取り組みは非常に野心的な目標に設定されているようです。これまでの大会では、環境への配慮は行われてきましたが、ここまで脱炭素に直接的に踏み込んだ施策は実施されていませんでした。

パリオリンピックのカーボンニュートラルへの挑戦は、スポーツ大会の持続可能性を高めるための重要な一歩です。パリオリンピックの取り組みが成功すれば、今後のスポーツ大会や大規模イベントのモデルケースとなるだけでなく、企業や社会全体にとっても、持続可能な取り組みを加速させるきっかけとなるかもしれません。

パリオリンピックは、スポーツの力を通じて、地球規模の課題である気候変動への対策を推進し、持続可能な未来のための重要な機会となるはずですので、選手に対する応援とともに大会運営にもエールを送りたいと思います。

最後までお読み頂きありがとうございました。次回の記事を楽しみにお待ち下さい。

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