先日ご紹介した『GX推進機構』に続き、同じく脱炭素化を加速するための組織である官民ファンド『脱炭素化支援機構(JICN)』を解説します。
脱炭素化支援機構(JICN)とは?
JICNは、2022年10月に設立された、官民連携による脱炭素化投資促進のための専門機関です。前身であるグリーンファイナンス推進機構の経験とノウハウを継承し、民間企業からの出資により民間目線のガバナンスを取り入れ、より強力な体制で脱炭素化を推進しています。
脱炭素化支援機構(JICN)の提供価値
JICNの主な役割は、脱炭素化に貢献する技術やビジネスモデルを持つ企業に対し、成長ステージに応じた資金提供と専門的な知見を提供することです。具体的には、
多様な資金供給:
エクイティ、メザニン、劣後ローンなど、企業のニーズに応じた資金供給
専門家による伴走型支援:
金融、技術、経営などの専門家が、事業計画策定、技術開発、海外展開などの支援
官民連携によるエコシステム構築:
政府、金融機関、企業、研究機関などとの連携を促進
脱炭素化支援機構(JICN)のESG投資
JICNはESG投資に最も力を入れており、その投資対象も多岐にわたります。環境省との連携により未来の脱炭素化を加速させるために、下記のような分野に対し集中的に資金提供を実行しています。
再生可能エネルギー:
太陽光発電、風力発電、地熱発電など、再生可能エネルギーの導入支援
省エネルギー:
工場やビルの省エネルギー化、高効率な設備の導入支援
水素・アンモニア:
水素・アンモニアの製造、輸送、利用に関する技術開発や実証事業の支援
CCS/CCU:
二酸化炭素の回収・貯留・利用技術の開発や普及への支援
サーキュラーエコノミー:
廃棄物の削減、リサイクル、資源の有効活用などを促進するための事業支援
グリーンモビリティ:
電気自動車、燃料電池車、次世代モビリティサービスなどの普及支援
まとめ
JICNは、脱炭素化という世界的な潮流の中で、日本の競争力強化に貢献する存在として官民ファンドとして非常に期待されています。政府の支援と民間企業の活力を融合させることで、日本の脱炭素化を加速させ、持続可能な社会の実現に対し、『GX推進機構』とともに非常に重要な役割を担っていくでしょう。