これまでの記事で、「気候変動対策を持続可能にするには”明確なメリット”が必須」という話を何度かさせていただきました。いくら環境に良い取り組みだったとしても、取り組む人自体にもメリットがなければ長続きはしない。地球に得がある+取り組む人にも得がある、その条件を満たす施策じゃないと、持続可能な気候変動対策にはなりません。
では、そんな持続可能性を持った気候変動対策には具体的にどんなものがあるのか?
今回は世界のサステナブル都市を参考に、街全体で取り組む気候変動対策を学ぼうと思います。
コペンハーゲン丨環境にも幸福度にも好影響「世界一の自転車都市」
まずは以前一度紹介した、デンマークの首都であるコペンハーゲンの事例です。
コペンハーゲンは、2025年までに120万トン相当のCO2を減らし、世界初のカーボンニュートラルな都市になるというビジョンを掲げ、モビリティ分野に特に力を入れています。
その中の1つにあるのが自転車の利用促進です。
車を減らし、自転車の利用者が増えるように、市民が自転車に乗りたくなる街づくりに取り組んでいます。
取り組みの概要 | 世界一の自転車都市を目指し、市民が自転車に乗りたくなる街づくりに取り組み、自転車インフラを進化
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環境へのインパクト |
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利用者へのインパクト |
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これらの取り組みによって、コペンハーゲン市内の通学・通勤の交通手段の約50%を自転車が占めており、車などによる温室効果ガスの排出量削減に貢献しています。
南アフリカ丨女性を救う鍋バッグ
次にご紹介するのは、南アフリカの女性を中心に利用されている「Wonderbag(ワンダーバッグ)」です。ワンダーバッグは大きな布製の袋で、その中に熱した鍋を入れておくと、何時間もかけてゆっくりと調理することができる、電気を必要としないスロークッカーのようなものです。
この鍋バッグは二酸化炭素の排出量削減や水の節約といった環境面のみならず、南アフリカの女性に大きなインパクトを生み出しています。
取り組みの概要 | 熱した鍋を入れておくと、何時間もかけてゆっくりと調理することができるワンダーバッグを使ってもらう |
環境へのインパクト |
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利用者へのインパクト |
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このバッグはすでに世界の150万世帯で採用されており、南アフリカでは2020年だけで6万個が出荷されています。
エストニア丨公共交通の無料化
3つ目は世界最先端のIT国家であり、世界初のブロックチェーン運用国家であるエストニアの取り組みです。
エストニアの首都タリンでは、低所得者層のモビリティを高める目的で、公共交通機関の無料化を実施しました。当初は、気候変動対策という側面に重きを置いていませんでしたが、気候変動問題が悪化するにつれ、環境面でのメリットにもなると考えられ注目されています。
取り組みの概要 | 所得税を財源とし、市民の公共交通機関運賃を無料化 |
環境へのインパクト |
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利用者へのインパクト |
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元々「低所得層の市民のために」から始まった取り組みですが、結果的に環境にも好影響を生み出している例です。ただし、自動車で移動する回数はわずかに減少しただけで、CO2排出量削減に対する効果は期待されていたほど大きくはないようです。
今後は環境対策への投資も積極的に行い、バス路線からディーゼル車やハイブリッド車を排除する計画もあるようです。
日本の場合、高齢ドライバーによる交通事故問題がありますので、この問題を解決するために公共交通機関の無料化は1つの方法になるかもしれないですね。
以上3つ、サステナブル都市と呼ばれる街の取り組みをご紹介しました。
以前公開した「気がつけば◯◯」という記事でも書いてあるとおり、どんなに環境や人に対する思いやりがあっても、日常生活の中で自分よりそれを優先させるのは難しいです。
自分に得があるからやっている、その結果気がつけば気候変動対策に繋がっていた。この設計が重要です。
私達Kabbaraはその”気がつけば気候変動対策”が設計され、ユーザーが増えれば増えるほど、売上があがればあがるほど環境や社会に良いインパクトを与える事業の実現を目指しています。まだまだ、これから研究開発が必要な部分も多いですが、DeFi、メタバース、NFT、web3、地球環境再生、土壌改良、温室効果ガス吸収、不耕起栽培、小規模農家改革、カーボンクレジット創出活動などに少しでも興味を持たれましたら、これら実現のためみなさまの活動へのご参加、お待ちしています。
また、ご質問やご意見随時承っております。
下記の【お問い合わせ】よりお願い致します。
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