「IPCC第6次評価報告書から考える私たちと気候変動」に参加した感想とまとめ パート2

   by Akihiko Sato        
「IPCC第6次評価報告書から考える私たちと気候変動」に参加した感想とまとめ パート2
こんにちは、佐藤です。
11月30日、IPCCシンポジウムに参加しましたのでどのようなことが語られていたのか?を数回に分けて報告させて頂きます。
今回はパート2ということで、基調講演2の内容をまとめていきたいと思います。パート1はこちら
目次
  • 基調講演1 IPCCの概要
田辺清人(IPCCインベントリータスクフォース共同議長)
  • IPCC概要のおさらい
  • 基調講演2 IPCC AR6 WG2報告書~影響・適応・脆弱性
ハンス=オットー・ポートナー (IPCC第2作業部会共同議長)
  • 基調講演3 IPCC AR6 WG1報告書~自然科学的根拠
ヴァレリー・マッソン=デルモット(IPCC第1作業部会共同議長)
  • パネルディスカッション モデレーター 田辺清人(IPCCインベントリータスクフォース共同議長)
  • まとめ

登壇されたのはハンス=オットー・ポートナー氏(IPCC第2作業部会共同議長)。
議長自ら登壇され緊張感のある雰囲気は「危機的状況だが、解決策はあり、急げばまだ間に合う」という意思を受け取ることが出来ました。
以下、スライドとともに議長の話された内容になります。
3.基調講演2 IPCC AR6 WG2報告書~影響・適応・脆弱性
ハンス=オットー・ポートナー (IPCC第2作業部会共同議長)
ハンス=オットー・ポートナー氏(IPCC第2作業部会共同議長)
こちらは、気候変動について我々は何をすべきか?というガイドラインを示しています。
緩和と適用についてどのようなことをしていくべきなのか?
生物多様性と人間社会を守るための長期的な目標を設定しています。
それがなければ、我々は適用などしなくていいということになってしまうから。
生物多様性と人間社会を守るということがIPCC、作業部会2の中心になっています。
今回はこの結果について報告を行った。
生物多様性も気候変動も対応策は十分ではない。
人為的な気候変動というものが、人々にもたらす自然の恵みへの驚異となっています。
乱獲・過度な干ばつ、熱波、天然資源の創出などで死亡率が上がったり、自然が失われています。
何十億人の人々の生活に影響が耐えられないところまできています。
「適応策をとったとしてもです」
倫理的な観点からもこれは許されるものではありません。
色が濃いところほど、気候変動の影響に対する脆弱性が高いということが明らかです。
特に熱帯地域のトライアングルでは適応策を持っていないことがほとんどです。
気候変動がグローバルにどう影響するか?をまとめています。
これらの項目がますます目立つようになってきました。
気温や水の状況変化ということも考えなくてはいけません。
人は自然から離れて生きていると感じてしまっていると思いますが、我々はこのシステムの一部であり、依存し社会の基盤にも影響しています。
それも悪影響であると明確になってきています。
人間のシステムと自然のシステムを比較すると、生息地の喪失は温暖化がどのような影響を及ぼしているか
特に緯度の低いところが、異常高熱に暴露される人が増えています。
特に赤道近くは、人体が耐えられるところを超えてきてしまって酷くなっているのが分かります。
技術的この環境を保護する手立てがないということです。
人口の半分から4分の3が影響を受けるだろうと言われています。
多様性について
紫の部分は住むことができない、生存し続けることができない場所を示しています。
気候変動によって様々な条件がより厳しくなってきています。
自然が人間社会に果たす重要な役割がありますが、すでに状況は悪化しています。
このような情報をまとめ、統合的なメッセージを決定者へガイダンスとして届けることが重要です。
リスクのコンセプト、これはプロペラの図ですが、 システムの脆弱性、どういったハザードにさらされているか?どの程度の曝露があるのか?を示し、まとめたものです。
リスクの度合いをみてみましょう。
1.5℃と2.0℃のラインがあります。ここを超えると危険な気候変動に入ります。
これは食料生産、生物多様性、死亡率、罹患率、感染症への脅威、界面上昇、食料入手可能性など、人々への影響を示しています。
前回(AR5)と今回(AR6)の評価報告書では、同じ科学者が関わっています。
最近の科学的な情報、知見に基づきより厳格なリスク評価を行いました。その結果、パリ協定の目標よりもより野心的な目標にすることを強調しています。
それによって、危険は気候変動を避けるといっています。
1.5℃に抑えることは可能なのか?
このような意見も出てきています。
問題は適応の加速化と問題をどのように実行していくか?
それには色々なギャップが存在しています。
我々は変革的な適応が必要であると説いています。
5つのシステム移行が必要です。
  • 土地、海洋、沿岸域及び淡水の生態系
  • 都市領域・農村域のインフラ
  • エネルギーシステム
  • 産業システム
  • 社会システム
適応策の実現性、どのくらい効果的なのか?
政策立案者はこのような側面を見ていく必要があります。
現在の地球は不均衡です。
我々の地球の生命がそのような状態にさらされています。 こういったマイナスの影響が、左側に示されており、我々の幸福が阻害されています。
右側に示されているのが、プラスのインタラクションで強化することが可能です。
気候レジリエントな開発というテーマのもとにまとめました。
人間のエコシステム、惑星の健康、人々の生活を同時に達成し、守ることが出来ると思っています。
この空間計画というのもとても重要です。
人間と自然が共存していくことが出来る。
そして、人類が自然と調和して行くことが出来ると、このレポートでは謳っています。
前回のCOP26では、「正義と衡平」がうまくいかなかったのですが、共有される責任はこれから我々としては見ていく必要があります。
累積排出量というのは今後の資金拠出の根拠となると考えられています。
我々の生存をかけた不可欠なものということです。
基調講演2 IPCC AR6 WG2報告書~影響・適応・脆弱性のまとめ
IPCCのレポートの趣旨や背景も分かってきました。
IPCCのデータはあくまでも現在の状況が進むとどうなるのか?という現在最も精度が高い科学者の総意という未来予測を示してくれているということだと思います。
これを踏まえ、今回の議題から「5つのシステム移行」というのが重要なキーワードだと思いました。
  • 土地、海洋、沿岸域及び淡水の生態系
  • 都市領域・農村域のインフラ
  • エネルギーシステム
  • 産業システム
  • 社会システム
私達が生活を続けていくことや、企業が活動を続けていくときに、この5つの項目をいかに意識し、対策を実行できるか?だと思いますが、実際、私達消費者として出来ることは何でしょうか?
このレポートにはその明確な答えはありません。
しかし、私達は企業や政府の動向を見ながらこの5つのシステム移行が行われているか?という目を持ち、時には声を上げていく。対策済みのサービスや製品を利用することで、社会のシステムとしてキチンと参加していくということは大事だということを改めて実感しました。
さて、次回、「基調講演3 IPCC AR6 WG1報告書~自然科学的根拠
ヴァレリー・マッソン=デルモット(IPCC第1作業部会共同議長)」まとめパート3をお届けしたいと思います。
今、私たちはどのような状況にいるのか?
将来ありうる気候はどのようなものか?
将来の気候変動を抑制するには?
という内容をまとめていきたいと思います。
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