いつもKabbara Timesをお読みいただきありがとうございます。沼倉です。
SGDs、気候変動対策をテーマとした会話で必ずと言っていいほど取り上げられる国スウェーデン。国連発表の世界SDGsランキングでも上位3位以内の常連国(日本は20位前後)であり、各国の気候変動対策会議でも成功事例としても非常に多く取り上げられることが多いです。スウェーデンは特に温暖化対策をメインとした気候変動対策の分野においては、世界的なリーダー国として有名です。
SGDs、気候変動対策をテーマとした会話で必ずと言っていいほど取り上げられる国スウェーデン。国連発表の世界SDGsランキングでも上位3位以内の常連国(日本は20位前後)であり、各国の気候変動対策会議でも成功事例としても非常に多く取り上げられることが多いです。スウェーデンは特に温暖化対策をメインとした気候変動対策の分野においては、世界的なリーダー国として有名です。
なぜスウェーデンは世界のリーダー?
今でこそ、世界各国がカーボンニュートラル宣言をし、気候変動対策を一生懸命進めていますが、スウェーデンはその対策を開始したスタートがものすごく早かったことが世界を主導する理由ではないでしょうか。
実はスウェーデンは、1972年に開催された第一回地球サミット『国連人間環境会議』のホスト国でした。会議が開かれた70年代からスウェーデンは地球環境について対策を講じてきました。
ほとんどの国々は、1997年の京都議定書で初めてCO2削減の義務化が決められてから動き出しているので、1970年代からスタートを切っているスウェーデンがどれだけ行動が早かったのかがお分かりいただけるでしょう。他の国とは20年ほど差をつけているのです。
こちらのグラフを見ると分かるのですが、1970年代前半からCO2排出量は徐々に減っていき、1980年以降は、急激な減少を実現しています。しかも、国の総人口が増加し続けているにも関わらず、増加に反して削減している結果となっていますね。
CO2排出量の減少率だけを見ても、このスウェーデンの結果がどのくらいすごいことなのかイメージしづらい方もいると思いますので、比較対象として同じく総人口が増加している中国の推移グラフを見てみましょう。
いかがでしょうか?
現在CO2排出量世界1位の中国は、人口の増加と共にCO2排出量も増加しているように見えます。特に経済成長の著しい過去20年間では急激な増加になっています。
参考までに、もう一つ。昨今SDGs、脱炭素、カーボンニュートラルの言葉が飛び交っている我が国日本のグラフを見てみましょう。これだけ脱炭素、CO2削減と騒いでいるのだから、スウェーデンのように減少しているグラフでしょうか・・・。
CO2排出量だけを見ると、ここ10年では減少しているように見えますが、日本の場合は同時に人口も減少しているので、やはりスウェーデンと比べてしまうと、もう少し頑張らないと!と言わざるを得ませんね。
もちろん、各国の経済成長率や他の国との経済関係など多角的な見方をしていけば、スウェーデンだけが100点満点とは言えませんし、他の国も優秀な結果を残している分野もあると思いますが、CO2排出量推移については他の国もスウェーデンを見習うべきではないでしょうか。
スウェーデンの成功理由としてよく語られるのが、前述した実行開始の動き出しの早さもありますが、最大の要因はバックキャスティングというアプローチ方法にあったと言われています。
バックキャスティングとは、Kabbara Timesで以前ご紹介したことがありますが、最初に目標とする未来像を描き、次にその未来像を実現するための道筋を未来から現在へとさかのぼって記述するシナリオ作成の手法です。 現在を始点として未来を探索するフォアキャスティングと比較して、劇的な変化が求められる課題に対して有効とされており、スウェーデンの気候変動対策はこの手法をベースにしているとのこと。
企業の国際CO2削減目標認定である『SBT認定』も、このバックキャスティングになっています。未来をあれこれ考える前にまずは目標を立てる。私たちが目指す最初のゴールである2050年のカーボンニュートラルに向けて、やはりこのバックキャスティングで行動を起こしていかないと間に合わないのではないでしょうか。
本日も最後までお読みいただき誠にありがとうございました。