COP28で初めて実施された評価システムとは?

   by kabbara        
COP28で初めて実施された評価システムとは?

あけましておめでとうございます。Kababta Timesは、お読みいただいているみなさんに向け、最新の情報をお届けすべく本年もより一層情報発信に力を入れてまいりますので、昨年同様、変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

2024年初回の記事は、世界的に注目された「国連気候変動枠組条約締約国会議(COP28)」の結果を分かりやすくまとめていきます。昨年11月30日から12月13日まで約2週間ドバイで行われたCOP28。今回の会議で各国どのような話し合いが行われたのでしょうか?

過去最多の国が参加したCOP28

"December 1 - World Climate Action Summit"より

温室効果ガス削減や気候変動対策が重要視されている昨今、これまで以上に注目されたCOP28は過去最多となる締結国198カ国が参加しました。

気候変動対策は国の威信にも関わる重要な国家課題。日本からも首脳級会議には岸田総理をはじめ各省庁の閣僚が参加しました。

COP28で初めて実施される「グローバルストックテイク(GST)」

今回の会議で初めてグローバルストックテイク(Global Stocktake:以下GST)という評価システムが採用されることになりました。

GSTとは、パリ協定の長期目標に向けて世界各国の対策実施を国際的に評価する仕組みのことで、評価の対象は以下の通り

①情報収集と準備:UNFCCC事務局が評価に必要な情報を収集して報告書をまとめ、各国政府や非政府主体が意見書の提出などを行う

②情報の技術的評価:各国の交渉担当官や実務担当者、国際機関・NGOの代表者などが「技術的対話」および「交渉会合」を三回にわたって実施する。交渉会合においては政治的な議論も含まれるが、技術的対話の中では技術的・科学的な議論に終始する

②技術的評価から導き出された政治的メッセージ:世界の事例や、政治的メッセージなどを成果物とし、各国が国連事務総長の特別イベントでNDCを発表する

つまり、「目標を達成するために何をするべきか」「これまでに何を達成したか」を特定できるようにした評価システムです。

この評価システム自体は2021年に開催されたCOP26からすでに発案・検証されてきているもので、今回のCOP28で全ての評価が出揃う形となりました。

各国は5年ごとにおこなわれるGSTの結果を踏まえ、自国の温室効果ガスの排出削減目標(=NDC)を更新します。さらに各国は、策定した削減目標に向けた施策を実施し、その報告を2年ごとに提出しなければなりません。これはパリ協定第13条で「強化された透明性の枠組」として義務付けられています。この報告は、次回のGSTの情報源ともなります。

このように、GSTに基づいて、各国が削減目標を策定し、実施の報告をおこない、それが次のGSTに生かされる、というサイクルを繰り返すことで、着実にパリ協定の目標達成に向かうことを目指しています。

国連:グローバルストック
https://unfccc.int/topics/global-stocktake

COP28の「グローバルストックテイク」を経て採択された2つのこと

今回のグローバルストックによる各国の評価から ・パリ協定の目標達成にあたり、「世界の気温上昇を1.5度に抑える」という目標まで隔たりがある(オントラックではない)こと ・1.5度目標に向けて行動と支援が必要であること 上記の2点が再確認され、強調されました。 つまり、現状のままでは1.5度目標を達成することはできないため、 ▶2025年までにGHG排出をピークアウトさせること2030年までに43%排出削減する必要性があること ▶2035年までに60%を排出削減する必要性があること。 ▶パリ協定と各国の異なる状況、道筋、アプローチを認識したうえで、世界全体の取り組みを推し進めることを呼びかけること。 この3点が今後の対策強化のために盛り込まれています。 気候変動対策に関して、各国の課題が浮き彫りとなったCOP28。企業の国際的脱炭素目標認定であるSBTの取得数など、取得企業は増加しているものの、まだまだ現状では国際基準である1.5度目標には届いていない状況です。 COP28をきっかけに、より一層地球規模で温室効果ガス削減、気候変動対策を意識していかなければいけない2024年となります。Kabbaraとしても、温室効果ガス吸収技術の拡大、SBT認定取得サポートなどを通じて、最大限国際目標へ貢献する一年にしてまいります。

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