メタンハンター出現!今一度、温暖化を考える。メタンハンターって何!?今一度、温暖化を考えてみる

   by Akihiko Sato        
メタンハンター出現!今一度、温暖化を考える。メタンハンターって何!?今一度、温暖化を考えてみる
こんにちは、佐藤です。
漸く、各地で秋の気配のニュースが入ってくるようになりました。
わたくしは秋生まれということもあり、秋は好きな季節なので、紅葉の情報はうれしい知らせなのですが、高温だった影響もあったのか、例年より一週間ほど遅れている地域も多いようですね。
今回は、今年は高温だったということもありましたので、最近の情報とともに今一度、温暖化について考えてみました。
    目次
  • メタンハンター、温暖化「犯人」の追跡者
  • メタンは破壊的な温室効果ガスだ
  • 世界のメタン収支「世界メタン収支2000-2017」
  • 突然ですが、「サーモカルスト」って聞いたことありますか?

1.メタンハンター、温暖化「犯人」の追跡者

Sharon Wilson points her infrared camera at a tank battery on the outskirts of Midland, Texas.
10月3日の朝日新聞のGLOBE+の記事「メタンハンター、温暖化「犯人」の追跡者 特殊カメラで油井やガス井を監視、可視化」にて、紹介されている「メタンハンター」のシャロン・ウィルソンさん。
シャロンさんは、もともと石油・ガス施設で働いていましたが、自宅の水道水がシェール開発で汚染されたのを機に環境問題に取り組むようになりました。
The infrared camera shows gas escaping from a valve at a processing plant in Loving County, Texas.
撮影された映像はYouTubeで公開しているほか、地元政府や政治家、メディアに現状を訴える材料にしており、映像で見せることで、人々の意識を高め、指導者に圧力をかけ、気候変動が急速に進むのを何とか止めようとしているのです」
メタンガスの漏れを特定し、その漏れを塞ぐことは、他のどんな対策よりも気候変動を遅らせることができる。炭素とは異なり、メタンは大気中で比較的早く分解される。

つまり、メタンの排出を抑制する努力は一世代で報われることになる。

最近のある試算によると、今後数十年間に予想される温暖化のほぼ3分の1は、人為的なメタン排出の削減によって回避できるという。新しい技術を開発したり、消費量を減らしたりする必要はない。

そのうちのいくつかは、埋立地や家畜の飼育場など、他の発生源の浄化によってもたらされるであろう。しかし、油田やガス田は、最も安いコストで最大の削減効果が期待できるため、最も着手しやすい場所である。

ロシアのパイプラインからウェストバージニアの古い井戸まで、新しい技術や科学的調査によってメタンガスの漏洩が明らかになったこともあり、この問題の緊急性はここ数年になってようやくクローズアップされるようになりました。

国連が支援する科学者たちが8月9日に発表した最新の評価では、気候変動に関する目標を達成するためには、メタンの排出量を「強力、迅速、かつ持続的に削減する」ことが重要であると述べています。

米国では、規制が追いついていません。多くの場合、エネルギー生産者やパイプライン運営者は、法律に触れることなく自由にメタンを大気中に放出しています。

規制の代わりに、非営利団体や活動家が自称民間の目として、独自のパーミアン・モニタリング・プログラムを実施し、企業に直接圧力をかけているのです。

ガス市場も反応している。昨年、パーミアンの液化天然ガスをフランスに送るという70億ドルの契約が、温室効果ガスの排出量に対する懸念から破談になった。貸し手や投資家も行動を起こすよう求めています。

現在、石油会社は独自のドローン、飛行機、衛星を打ち上げ、流出を発見し、阻止するための自主的な取り組みを行っています。
「日本はすぐにテキサスからの天然ガスの輸入をやめるべきだ」
日本が輸入する液化天然ガスの5%強はアメリカから。
規制も無く管理十分ではないアメリカから輸入するということは、メタンガスの放出に加担しているということでもあるということ。
シャロンさんのように「メタンハンター」は今後増えていく事で、メタンガスを放出してしまっている企業は、早急に対応しなくてはならい社会へ移行していくことになるでしょう。
「メタンハンター」によって今までは知らされることが無かった、独自の企業の情報を私達も共有することが出来る。
知る事で、判断する事も可能になります。
企業は透明性が高いデータを公開し、対策していくことが信用となっていきます。
今は取引先のエネルギー管理方法まで確認しなくてはならないため、企業同士が連携する場合にも、こうしたデータは重要となってきますね。

2.メタンは破壊的な温室効果ガスだ

メタンガスは二酸化炭素の80倍以上の温室効果ガスを発生させる可能性があるため、特に危険とされています。
COP26「グローバル・メタン・プレッジ」では、メタン排出を2030年までに30%削減、100カ国超が賛同しました。
今後10年間で、あらゆる発生源からのメタンは、化石燃料の燃焼よりも地球を温暖化させる効果が大きいといわれています。 メタンは温室効果ガスの中でも特に強力で、人間の活動による温暖化の原因の3割を占めるとされています。
フォン・デア・ライエン委員長は、メタンについても今すぐ行動するべきだと訴えた。
フォン・デア・ライエン氏は、「私たちは2050年を待っていられない。すぐに排出量を減らさなくてはならない」と指摘。メタン削減は「短期間の地球温暖化を低減するためにできる最も効果的な施策の一つ」で、「一番手元に近い果実だ」と語った。

バイデン大統領もこれを受け、メタンは「最も強力な温室効果ガスのひとつ」だと強調した。
また、この目標に賛同した国と地域は、世界の国内総生産(GDP)の7割を占めていると述べた。
一方、メタンの排出量が特に多いロシアと中国、インドは、この目標に参加しなかった。
排出されるメタンの40%は、湿地帯などの自然環境から発生している。しかし、畜産業や穀物生産からごみ処理といった人間の活動による排出が大半を占めます。
中でも製造業や運輸、天然ガス利用による排出が大きい。2008年以降に大きく増えており、専門家はアメリカの一部地域で爆発的に増えたフラッキング(水圧破砕法)による化石燃料採掘が関連しているとみられています。
大気中のメタン濃度は2019年にピークを迎え、産業革命以前に比べて2.5倍に。
メタンが地球温暖化の大きな原動力となっていることだ。100年単位で見るとその温室効果はCO2の28〜34倍、20年単位では84倍にも上ると科学者が懸念しています。
「サーモカルスト」のように暖かくなったことによって、永久凍土が融解しメタンが発生し放出量が増大することは大きな危機となりますが、メタンガス放出量の増大は人為的な影響も大きい事が分かります。
化石燃料の採掘など生産時や施設の老朽化などの管理運営時に漏れてしまうことも大きな要因と言われています。
また、有名なのは牛のゲップなどに代表される畜産や農業及び廃棄物、ゴミの埋め立て処分場などから放出されています。
メタンガスの濃度上昇は、中国での石炭採掘増加によって地中にたまっていたメタンガスが出たことや、南アジアや東南アジアなどで人口増加に伴い畜産業が拡大したことが大きいと言われています。

3.世界のメタン収支「世界メタン収支2000-2017」

引用を翻訳:GLOBAL CARBON PROJECT
こちらの図は世界のメタン放出量で、過去20年間に10%近く増加したというもので、増加した主要発生源は、農業及び廃棄物管理、化石燃料の生産と消費に関する部門の人間活動となっています。
大気中のメタン濃度の増加が一時的に停滞した期間(2000–2006)と収支評価を行った最後の年(2017)のメタン収支を比較すると、2017年は放出量が9%(メタン重量で年間約5000万トン)増加したことが分かりました。この増加は、人為起源放出の増加によりほぼ全て説明できます。
一方、湿原、湖沼、貯水池、シロアリ、地質学的放出、ハイドレートなど様々な自然発生源から放出されるメタンの放出量はほとんど変化していませんでした。
メタン放出増加の主要因となった部門は、化石燃料(生産と消費)、農業活動や廃棄物部門です。これらの部門の放出量を減らすことが気候変動の緩和に必要であることを明らかに示しています。
やはり、化石燃料の管理がとても重要ですね。
農業や畜産分野でも、メタンガス抑制する技術は出てきていますから、人為的な影響は頑張れば対応が可能という希望はあります。いかに該当する企業に対策、対応をしてもらうかが鍵となりますので、それを動かす要因の1つは民意の総意は大きな行動原理となりますので、私たち消費者が情報をつかみ行動することもとても重要ですね。

4.突然ですが、「サーモカルスト」って聞いたことありますか?

「サーモカルスト」
ちょっと聞き慣れない言葉ですよね。
「サーモカルスト」とは、シベリアやアラスカなどの凍土地帯で、地表付近が融解、凍結を繰り返して造られる凹凸のある地形のことで、地表面が不均一に沈む現象。との事。
アラスカの「サーモカルスト」と呼ばれる地形にできた湖はメタンガスであふれ、表面に泡が出てきている こちらは10月3日のBUSINESS INSIDERの記事に掲載されていた言葉になります。
アラスカの永久凍土が溶けて多数の湖が出現…バクテリアが温室効果ガスのメタンを大量に放出という記事で紹介されていますが、アラスカの「サーモカルスト」と呼ばれる地形にできた湖はメタンガスであふれ、表面に泡が出てきている。というのです。
「サーモカルスト」は大量にメタンガスを放出する可能性が高い。
温暖化は永久凍土の融解を確実に起こしてしまっています。
この件からも、いかに抑止していけるか?というチャレンジがいかに大切で、早急な対応が必要だという事を感じることが出来るのではないでしょうか。
人為的なメタンガスの抑制の目処が立ちはじめていますが、永久凍土の融解はすぐに止めることは出来ません。 特に北極圏では他の地域と比べると、2倍の速さで温暖化が進んでいるといいます。
私たちの想像以上に進行している問題なのですが、メタンガスは無色透明、無臭であるため、存在が目立たないため、問題視されにくいのかもしれません。
メタンガスは二酸化炭素よりも対策によって削減効果が得られやすいため、優先順位をあげて対策していきたい分野ですね。
日本のメタンガスの放出量は減少傾向にあります。
国内のメタン放出量は1980年代の平均値に対し、2000年代に35%減少した後、減り具合が鈍化している。政府は、排出量の8割を占める稲作や畜産などの農業分野での対策に力を入れている。
日本自体のメタンガスの抑制可能な伸びしろは企業努力の効果もあり、少なくなって来ていますが、蓄積された技術はこれから対策をしなくてはならい途上国などには必要な技術だと思います。
日本でもメタンハンター的な活動が出来るのか?大いに期待したい…
日本は改善や効率化が最も得意な国なハズ。
世界と手を取り合っていくことで、地球を、世界をより良い方向へと一緒に歩んでいける。
そんなイメージをしてしまう今日この頃でした。
今回はメタンガス放出の抑制という温暖化抑止に繋がる大きな可能性としてまとめました。
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時代が要請するカーボンニュートラル社会の実現へ
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